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2000年7 月 5日 (水曜日)

【映画評】レインディア・ゲーム (2000)

サンタクロース姿の強盗団に意外な結末が待つ犯罪サスペンス。

【満足度:★★★】

 夜の雪上に横たわるサンタクロース姿の何体もの遺体…。
 その六日前、自動車泥棒で懲役刑を受けていたルーディ・ダンカン(ベン・アフレック)と、彼のムショ仲間ニック(ジェームズ・フレイン)は、仮釈放の日をあと二日に控えていた。ニックは文通で知り合った女性アシュリー(シャーリズ・セロン)と会えることを心待ちにしていたが、つまらない争いに巻き込まれ無念にも出所前に死んでしまう。
 そして仮釈放の日、以前からニックにアシュリーの写真を見せられていたルーディは、なにも知らず迎えに来ている彼女を見つける。密かに彼女に想いを寄せていたルーディは、つい自分がニックだと嘘をついて彼女に近づく。しかしルーディはこの嘘が元で彼女の兄ガブリエル(ゲイリー・シニーズ)のカジノ強盗計画へと巻き込まれてしまうのだった…。

 ジャンル的に騙し騙されどんでん返しありの犯罪映画ってことなんだが、この手の作品の要となる脚本が非常に緻密でよくできており、それほど話題にならなかった作品としては意外な拾い物。
 まるっきり予備知識無しで観たため観賞後に知ったんだが、監督は大ベテランだし、役者だって結構名優ぞろいで立派なA級作品じゃないの。
 鑑賞前の予備知識は劇場の看板だけだったのよ。黒バックに銃を構えたサンタクロースが5人ってのが画(え)として映画的やなぁと思ってさ。あと、その看板に書かれていたコピーでどんでん返しがあるよってことだけが唯一の予備知識。
 で、犯罪モノのどんでん返し付きとなれば、登場人物全部がうさん臭くなるわけで、それなりに面々を疑いながら観てたんだが、久々にこの結末はまるっきり読めなかった。わたくしまだまだ未熟者だと思い知らされましたよ。

 いつものことながらこの手の作品の性質上内容には一切触れませんが、どんでん返しモノって実は2通りあって、話の大筋自体が観客の予想を裏切りながらどんどん意外な方向に突き進むタイプと、大筋的には裏切られずに安心して観てられるんだけど気を抜いてると足元すくわれて「してやられたっ」ってなるタイプがある。で、この作品の場合は後者。
 途中の段階でも「今明かされる衝撃の新事実」的な展開もあるけど、それ自体が「おおかたの予想通り」って感じで観てられる。でもね、「とどめの一発」だけは予想だにしなかったホントの衝撃の新事実なわけ。
 概して「意外な方向突進」タイプの作品のほうが売り文句としては面白そうに思われがちだけど、実際にはこの「おおかたの予想通り」をいかにうまく使うかが作品の面白さに直結する。観客が観るガイドラインとしての大枠は絶対に崩しちゃいけないってこと。
 この作品、その辺のさじ加減が非常に巧みなんだな。脚本家としてはしてやったりだろう。

 で、その文字通りの立て役者となっているのが紅一点のヒロイン・アシュリー役のシャーリズ・セロン。彼女の演技は特筆モノ。
 彼女に対してもやっぱり疑いながら観てたんだけど、微笑む表情とか本気なのか演技による作り笑いなのかわからない微妙なところで(役者として)演じてて、観客としても最後まで翻弄された。

 作品世界的に意外と小じまりしちゃってるんでB級作品扱いされ、こんな季節はずれの公開になってしまったんだろうが、芯のしっかりした快作。
 ついでに書くと、タイトルの「レインディア」の意味がわかんなくて、あとで調べたらトナカイって意味なのね。『トナカイゲーム』って内容を知ってるとなかなか洒落たいいタイトルだと思うんだけど、ま、日本じゃコメディに見えちゃうか。

作品データ - Film Data

  • 【キャスト】ベン・アフレック/ゲイリー・シニーズ/シャーリズ・セロン/デニス・ファリーナ/ジェームズ・フレイン/ドナル・ローグ/ダニー・トレホ/ダナ・スタブルフィールド/アイザック・ヘイズ/クラレンス・ウィリアムズ3世
  • 【監督】ジョン・フランケンハイマー
  • 【脚本】アーレン・クルーガー
  • 【製作総指揮】ハーベイ・ウェインスタイン/ケーリー・グラナット/アンドリュー・ロナ
  • 【製作】マーティ・カッツ/ボブ・ウェインスタイン/クリス・ムーア
  • 【撮影】アラン・カッソ
  • 【編集】トニー・ギブス A.C.E./マイケル・カーン A.C.E.
  • 【音楽】アラン・シルヴェストリ
  • 【衣装】メイ・ルース
  • 【原題】Reindeer Games
  • 【字幕翻訳】林完治
  • 【日本公開】2000年
  • 【製作年】2000年
  • 【製作国】アメリカ
  • 【上映時間】104分

コメント (2)

うるせぇ クズ 評論家ぶるなボケ

◆名無しさん
 まあ、そういうサイトなんで。
 しかしなんで今ごろこんな古いレビューに?

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