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2000年7 月 3日 (月曜日)

【映画評】ミッション・トゥ・マーズ (2000)

巨匠ブライアン・デ・パルマ監督が初めて挑むSF叙事詩。

【満足度:★★★】

 世界初の有人火星探査に向かったメンバーたち。この歴史的探査は順調に進んでいたが、メンバーのひとり・ルーク(ドン・チードル)からの異変を伝える最後のメッセージを残して突如として連絡が途絶える。
 まもなくルーク救出と事故原因の追究という使命を受けた新たなミッションチーム(ゲイリー・シニーズ、ティム・ロビンス、コニー・ニールセン、ジェリー・オコーネル)が火星へと向かうが…。

 巨匠ブライアン・デ・パルマ監督が初めて挑んだというSF作品。この作品単体で観れば大変よくできた感動的な一大叙事詩。

 しかしこの『ミッション・トゥ・マーズ』、まぎれもなく映画史に燦然と輝く金字塔、スタンリーキューブリックの『2001年宇宙の旅』を意識して作られた作品。
 『2001年宇宙の旅』を意識して作られた作品は正当な続編である『2010年』のほか、ジェームスキャメロンの『アビス』など、名だたる監督も挑んではいるが、やはり『2001年宇宙の旅』を、強いてはスタンリーキューブリックを越えられないというのが率直な感想。
 まあ、そんな身構えなくても、要するに偉大なスタンリーキューブリック作品へのオマージュとして捉えればいいのだが、やはりこれだけ似ていると比べずにおれないし、結果的には物足りない。
 ある種宗教映画の域に達していた『2001年宇宙の旅』に比べると、単なる近未来映画で留まってしまうのである。
 『2001年宇宙の旅』での未知なる知的生命体が“神”を意識させるに充分な存在だったのに対し、この作品での火星人は地球人より科学文明が進んでいる他の星の種に過ぎないということ。

 こういったことはいたるところで言われていると思うのでこのくらいにして、最初に書いたように、この『ミッション・トゥ・マーズ』、やはり巨匠ブライアン・デ・パルマ監督の手によるものだけあって、非常によくできている。それどころか難解な宗教映画『2001年宇宙の旅』と違って、率直に娯楽作品として楽しめる内容。美しく感動的な愛のエピソードあり、劇的で予想できない意外な展開あり、宇宙酔いしそうになるデ・パルマ監督らしい凝った撮影ありで、上映時間いっぱい飽きることがない。
 個人的にはクライマックスの“未知との遭遇”は説明的過ぎてあまり好きじゃないが、まあこれもいいだろう。それを差し引いても充分楽しめたから。
 しかし、そのクライマックスでの文字通り走馬灯のように巡る思い出の図は、いくらなんでもちょっとお手軽すぎんか?確かにそれでも感動しちゃってたから文句は言えんのんだけどさ。

作品データ - Film Data

  • 【キャスト】ゲイリー・シニーズ/ティム・ロビンス/ドン・チードル/コニー・ニールセン/ジェリー・オコーネル/アーミン・ミューラー・スタール/ピーター・アウターブリッジ/キャバン・スミス/ジル・ティード/エリーズ・ニール/キム・デラニー
  • 【監督】ブライアン・デ・パルマ
  • 【脚本】ジム・トーマス/ジョン・トーマス/グラハム・ヨスト
  • 【原案】ローウェル・キャノン/ジム・トーマス/ジョン・トーマス
  • 【製作】トム・ジェイコブソン
  • 【製作総指揮】サム・マーサー
  • 【撮影】スティーブン・H・ブラム
  • 【プロダクション・デザイン】エド・バリュー
  • 【編集】ポール・ハーシュ
  • 【視覚効果監修】ホイト・イートマン/ジョン・ノール
  • 【衣装デザイン】サーニャ・ミルコビッチ・ヘイズ
  • 【音楽】エンニオ・モリコーネ
  • 【共同製作】デビッド・ゴイヤー/ジャスティン・グリーン/ジム・ウェダー
  • 【製作補】テッド・タリー
  • 【原題】mission to mars
  • 【字幕翻訳】戸田奈津子
  • 【日本公開】2000年
  • 【製作年】2000年
  • 【製作国】アメリカ
  • 【上映時間】114分

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