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2000年8 月10日 (木曜日)

【映画評】死者の学園祭 (2000)

深田恭子主演の学園サスペンス。

【満足度:☆】

 ミッション系の学園内で次々と起こる殺人事件。
 学園に伝わる悲恋の物語を演劇化しようとした『青い瞳の天使』に隠された謎…。

 「これじゃ『死者の学芸会』」。観賞後、真っ先に浮かんだ言葉。
 「アイドル映画に何を期待してんの?」と言われそうだが、アイドル映画にすらなっていないのだ。

 大甘に観ても、主演の深田恭子は客寄せパンダにしかなっていない。深キョンファンはこれで満足できるのか?
 深キョン自身がピアノを弾けるらしいので、この役ははまり役といえるのに、非常にもったいない。
 彼女が唯一魅力的に見えたのはエピローグのみ。ここですら、他のシークエンスから浮いてしまっているから、主人公・真知子(深田恭子)の心理描写としては納得しかねる。
 エンドクレジットに挿入される、カットされたと思われるフィルムを見ていると編集の責任も大きいのだろうが、それにしても監督は演出を一から勉強し直した方がいいのではないか。
 食卓シーンでのカット割りのデタラメさは、まるで素人。イマジナリーラインなどと専門用語を振りかざしての知ったかぶりはしたくはないが、単純に見づらく、苦痛にしかなっていないのだからこうも言いたくなる。

 死んでしまった親友たちのためにも『青い瞳の天使』を上演したいという真知子(深田恭子)の思いは、展開のための御都合主義にしか見えないし、父親(根津甚八)との、“ごくあたりまえの”親子関係を示す描写がないに等しいので、後半の展開も“父親”であるというキーワードに頼っただけの確認作業にしかならない。
 主役の描写ですらこのていたらくであるから、脇役たちの人間関係など理解しようもなく、ことがすべて解決したあと、辛うじて全体像を把握するのが精一杯。
 登場人物すべてが生きる屍。

 いつものことだが日本のサスペンス映画は、どうしてこうも説明的な謎解きをしてしまうのか。
 クライマックスでの真知子の危機一髪も、どう見たって助けが来るまでの時間稼ぎな展開。
 その後の展開にいたっては、子供だましを通り越して、観客を無視した強引な幕引き。

 この救いようのない愚作の中で、妙に印象に残ったのは、学園長を演じた筒井康隆の好演。
 もちろん役者としての技量は望むべくもないのだが、これだけ恵まれない状況のなかで、本職でない筒井康隆氏が頑張ってくれてることは、感謝するべき。

作品データ - Film Data

  • 【キャスト】深田恭子/加藤雅也/内田朝陽/林知花/坂本三佳/黒澤優/羽仁俊太郎/セイン・カミュ/上田耕一/伊藤洋三郎/山田幸伸/宮崎美子/筒井康隆/根津甚八
  • 【監督】篠原哲雄
  • 【エグゼクティブ・プロデューサー】原正人
  • 【プロデューサー】拓殖靖司/井上文雄
  • 【原作】赤川次郎『死者の学園祭』
  • 【製作】佐藤雅夫/山下暉人
  • 【脚本】安部照男/山田珠美
  • 【音楽】溝口肇
  • 【撮影】柴主高秀(J.S.C.)
  • 【美術】稲垣尚夫
  • 【照明】豊見山明長
  • 【録音】山田均
  • 【編集】冨田功
  • 【音響効果】帆刈幸雄
  • 【キャスティング】杉野剛
  • 【スクリプター】皆川悦子
  • 【助監督】片島章三
  • 【製作担当】木次谷良助
  • 【主題歌】『HOW?』 [唄]深田恭子 [作詞]岩里裕穂 [作曲]織田哲郎 [編曲]葉山たけし
  • 【日本公開】2000年
  • 【製作年】2000年
  • 【製作国】日本
  • 【上映時間】101分

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主演深田恭子、加藤雅也、根津甚八 監督篠原哲雄 脚本安倍照男、山田珠美 製作2000年、日本 青い瞳の天使 手塚学園の講堂の床に脚を固定されたピアノにまつわる伝説をめぐって繰り広げられるサスペンス。 八十年前、妻子をドイツに置いて来ていた美術教師オイガン・... [続きを読む]

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