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2001年3 月27日 (火曜日)

【映画評】ギャラクシー・クエスト (1999)

心温まる抱腹絶倒傑作SFパロディー巨編!

【満足度:★★★★】

 下手にあらすじなんか説明すると、食わず嫌いで避けちゃう人がいると思うのであえて書かない。
 それでもあえてひとことで説明するなら“『スター・トレック』のパロディー映画”ってことになる。…ほら、この一言ですでに7割の人(推定)は引いちゃったでしょ。

 待て待て。そんな概要とは裏腹に、本作はもっともっと懐が深い。『スター・トレック』に興味があろうがなかろうが、はたまた大っ嫌いだろうが、いっそのことそんなものまったく知らなかろうが関係ない。単純にエンターテイメント映画としてこうも完成度が高い傑作はそんじょそこらにはない。
 もっともらしく書くなら、劇中劇であるTVシリーズ『ギャラクシー・クエスト』という架空の作品世界と本格SFアクション映画とが無理なく融合したSFコメディー巨編であり、かつそれをとりまく人間模様をも、笑いあり涙ありのヒューマンドラマとして多面的に描ききった恐るべき怪作とでも言おうか。

 え?ちっとも面白そうじゃないって?そんな貴方にちょっとだけ秘密を教えてあげましょう。
 あの『エイリアン』シリーズで有名なシガニー・ウィーバーが、豊満なセクシーボディーをあらわにして大立ち回りすんのよ。
 あの『ダイハード』での悪役ぶりで強烈な印象を残したアラン・リックマンがトカゲヘッドのカツラをかぶって駆けずり回ってんのよ。
 どう?観たくなったでしょ。
 え?シガニー・ウィーバーもアラン・リックマンも落ちぶれちゃったなって?
 いやいや、そういう落ちぶれた役者の役を演じてんの。彼女、彼の貫禄は今でも健在だってばさ。

 ということで、さくっとまとめちゃう。
 名門I.L.M.が担当した特撮は、これが名実ともにA級作品だということを見せつけてくれる。
 練り上げられた脚本も多重構造の作品世界を最後まで破綻をきたすことなく緻密に構成してあり、既知の知識を要求しない、万人が楽しめるパロディー映画に仕上げたのは見事というほかない。
 また、パロディー映画としての完成度の高さはそのオリジナル作品への愛情の深さに比例するものなのだと納得させられ、クライマックスでは怒濤の感動が押し寄せる。

 とまぁ、誉めちぎってはいるのですが、非の打ちどころのないはずのこの傑作の唯一の欠点が、実はその完成度の高さだったりする。
 筆者としても好きな一本ではあるが、よくできた作品という以上には熱中できなかった。
 熱狂的なファンをパロディー化することで作品の完成度を極めた本作も、“あばたもえくぼ”なところがあってこそ応援したくなったり、できの悪い奴ほどより愛情が深まったりという、複雑なファン心理までは具現化できなかったらしい。

作品データ - Film Data

  • 【キャスト】ティム・アレン/シガニー・ウィーバー/アラン・リックマン/トニー・シャローブ/サム・ロックウェル/ダリル・ミッチェル/エンリコ・コラントーニ
  • 【監督】ディーン・パリソット
  • 【製作】マーク・ジョンソン/チャールズ・ニューワース
  • 【製作総指揮】エリザベス・カンティロン
  • 【原案ストーリー】デビッド・ハワード
  • 【脚本】デビッド・ハワード/ロバート・ゴードン
  • 【撮影】イェジー・ジェリンスキー
  • 【編集】ドン・ジマーマン,A.C.E.
  • 【プロダクション・デザイナー】リンダ・デシーナ
  • 【衣裳デザイナー】アルバート・ウォルスキー
  • 【音楽】デビッド・ニューマン
  • 【エイリアン特殊メイク/クリーチャー効果】スタン・ウィンストン
  • 【視覚効果監修】ビル・ジョージ
  • 【特殊視覚効果&アニメーション】I.L.M.
  • 【提供】ドリームワークス映画
  • 【配給】UIP
  • 【原題】Galaxy Quest
  • 【字幕翻訳】戸田奈津子
  • 【日本公開】2001年
  • 【製作年】1999年
  • 【製作国】アメリカ
  • 【上映時間】102分

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