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2001年3 月21日 (水曜日)

【映画評】ハート・オブ・ウーマン (2000)

メル・ギブソンが女性の心の声が聞こえてしまう男を演じる軽妙なロマンティック・ラブコメディー。

【満足度:★☆】

 広告代理店に勤めるクリエイティブ・ディレクター、ニック(メル・ギブソン)はクリエイティブ部の部長への出世を目前にしていた。しかし、その座はライバル会社から引き抜かれてきたやり手の女性クリエイター、ダーシー(ヘレン・ハント)に奪われてしまう。
 ダーシーは出社初日、ニックらに口紅、ストッキング、ブラジャーなど女性のための商品の広告を考えてくるように命ずる。もともとタバコや車など男性向け商品の広告で実績を築いてきたニックはこれに困惑。その夜、まずは女性の気持ちになってみようと手渡された女性向け商品をバスルームで自ら身につけてみるのだが…。

 この後、ニックは女性の心の声が聞こえてしまうようになるという軽妙な喜劇。スト-リーの中心はニックとダーシーとのラブロマンスだが、これにダーシーのお年頃の娘らも加わって、女性たちの心の声がまさに男っぽい男だったニックを女性のよき理解者と変えていく過程が描かれる。

 総じてライト感覚なため、女性の赤裸々な心の内といった生々しさは感じさせない。あくまで心地よいラブストーリーというのがこの作品の方向性なのだから、これはこれで順当ではある。だが、作品自体が女性に媚びているという印象がぬぐえず、男である筆者としては、純粋なラブストーリーとしてもものたりなかった。
 監督も女性であり、ここで描かれる女性の声に嘘はないんだろうし、個々の女性の心に声に異議を唱えるつもりなどむろんないのだが、話の展開がどうにも御都合主義で、ニックがすべての女性を救わんとするような、まるですべての女性の理想像のような描かれ方というのは、ドラマとしては深みに欠ける。要するに男性向け映画が男に好都合な女性ばかり描くことのちょうど裏返しの作品なのだ。

 女性の多くはこの作品に共感するのかもしれない。それはいいんです。女性のための作品なんだから、そうあるべきでしょう。
 ただ、貴方が女性で、「これを彼氏と一緒に観て女心をわからせよう」なんてことはしない方が二人のためです。女性である貴方自身がうんざりしているであろう、“男の考える理想の女性像”を押し付けられることと同じような苦痛を彼に強いるだけですから。

作品データ - Film Data

  • 【キャスト】メル・ギブソン/ヘレン・ハント/マリサ・トメイ/アラン・アルダ/アシュレー・ジョンソン/マーク・フュアースタイン/ローレン・ホリー/デルタ・バーク/ヴァレリー・ペリン/ジュディ・グリーア/サラ・ポールソン/アナ・ガステイヤー/リサ・エデルスティン/ロレッタ・ディバイン/ダイアナ・マーラ・リヴァ/エリック・バルフォー
  • 【製作・監督】ナンシー・メイヤーズ
  • 【脚本】ジョシュ・ゴールドスミス/キャシー・ユスパ
  • 【原作】ジョシュ・ゴールドスミス/キャシー・ユスパ/ダイアン・ドレーク
  • 【音楽】アラン・シルベストリ
  • 【音楽スーパーバイザー】ボニー・グリーンバーグ・グッドマン
  • 【衣装】エレン・ミロジニック
  • 【編集】スティファン・A・ロッター/トーマス・J・ノードバーグ
  • 【美術監督】ジョン・ハットン
  • 【撮影監督】ディーン・カンディ,A.S.C.
  • 【共同製作】ブルース・A・ブロック
  • 【製作総指揮】スティーブ・マクエビーティ/デビッド・マクファーゼン/カルメン・フィネストラ
  • 【製作】マット・ウィリアムズ/スーザン・カーソン/ジーナ・マスーズ
  • 【製作】ブルース・デイビー
  • 【共同提供】ポニーキャニオン/ギャガ・コミュニケーションズ/東宝東和
  • 【共同配給】ギャガ・コミュニケーションズ/東宝東和
  • 【原題】WHAT WOMEN WANT
  • 【字幕翻訳】戸田奈津子
  • 【日本公開】2001年
  • 【製作年】2000年
  • 【製作国】アメリカ
  • 【上映時間】127分

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