【映画評】デイ・アフター・トゥモロー (2004)
地球規模の異常気象を描いた天変地異スペクタクル巨編。
マンハッタンを呑み込む巨大津波や、地球規模で急速に侵攻する大寒波を描いたスペクタクル映画。
異常気象だけでは映画として物足りないと思ったか親子愛も描かれる。
よくも悪くものハリウッド大作。大スクリーンで異常気象をただ眺めたい向きには大満足だろう。
一方の人間ドラマの方は、取って付けた感が否めず、ありがち。
目玉である津波や竜巻、寒波の襲来を描いた異常気象の描写はさすがに秀悦。特に目に見えない零下の大気が迫りくる描写は見事。
ただ、基本的に子供でも観れるファミリー映画なので、大惨事を描いているにもかかわらず惨たらしい描写は意図的に避けてあり、甘ったるい。その代わり映像的に美しいシーンが多いので、ある意味それも見所。マンハッタンが雪に埋もれている様は壮観だ。
日本もちょっとだけ描かれるのだが、これはおまけ程度。東京なのにまるで中華街のようなセット。しかもここに出てくる日本人役がカタコトの日本語で興醒めする。
こんな調子なので、他の国もちょっとずつは出てくるが、物語的には完全にアメリカ国内のお話しと思ったほうがいい。
地球規模の異常気象をアメリカ国内だけで描こうとしたところがすでに失敗なのだが。
話をアメリカ国内に絞ったところで何をするかというと、父親が寒波の直撃するマンハッタンに取り残された息子を助けにいくという、至極パーソナルな蛇足的お話し。
しかもこれが行きあたりばったりでありがちなエピソードの繰り返しなのであんまり盛り上がらない。だって、この説明を読んだだけで結末は想像つくでしょう。どうしても予定調和なになってしまうのよ。
それだったら親子愛なんか描かずに、単純に取り残された人たちの脱出劇、生き残りの修羅場を見せてくれた方が緊迫感があってよかったように思う。
完全なアメリカ万歳映画とは違うが、限りなくそれに近い。要するに地球規模といいながら、これはアメリカ人を対象にした映画なのよ。
ラストは警鐘のようなことを言って終わるが、これもアメリカに住む人たちに向けた言葉でしかない。
日本人としては涼しげな寒波の映像を観て満足するしかない、突き放されたような印象だけが残る。
作品データ - Film Data
- 【キャスト】デニス・クエイド/ジェイク・ギレンホール/エミー・ロッサム/ダッシュ・ミホーク/ジェイ・O・サンダース/セラ・ウォード/オースティン・ニコルズ/アージェイ・スミス/タムリン・トミタ/サーシャ・ロイス/イアン・ホルム/ケネス・ウェルシュ/ネスター・セラーノ/ペリー・キング
- 【監督】ローランド・エメリッヒ
- 【脚本】ローランド・エメリッヒ&ジェフリー・マクマノフ
- 【ストーリー】ローランド・エメリッヒ
- 【製作】ローランド・エメリッヒ/マーク・ゴードン
- 【製作総指揮】ウテ・エメリッヒ/ケリー・ヴァン・ホーン/ステファニー・ジェルマン
- 【撮影監督】ユーリ・ステイガー,ASC
- 【プロダクション・デザイナー】バリー・チューシッド
- 【編集】デイビッド・ブレナー,A.C.E.
- 【共同製作】トーマス・M.ハーメル
- 【VFXスーパーバイザー】カレン・グーレカス
- 【SFXスーパーバイザー】ニール・コーボールド
- 【衣装デザイン】レニー・エイブリル
- 【音楽】ハラルド・クルーサー
- 【キャスティング】エイブリル・ウェブスター、CSA
- 【提供】20世紀フォックス映画
- 【製作】セントロポリス・エンタテイメント/ライオンズゲイト/マーク・ゴードン・カンパニー
- 【原題】THE DAY AFTER TOMORROW
- 【字幕翻訳】戸田奈津子
- 【日本公開】2004年
- 【製作年】2004年
- 【製作国】アメリカ
- 【上映時間】124分



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