【映画評】ラスト サムライ (2003)
日本という異国で自分を取り戻し、武士道に目覚めていくアメリカ軍人。
インディアン討伐戦争で自分の生き方を見失ったオールグレン大尉(トム・クルーズ)は、開国間もない日本の明治政府に西欧式軍隊育成のために雇われる。
ある日出撃を命じられたオールグレンだったが、戦地ではぶざまに惨敗。反政府を唱える武士・勝元盛次(渡辺謙)に囚われてしまうのだった…。
ハリウッド資本で作られた大作時代劇。それ以上、それ以下でもない。
我が日本を描く外国映画だと常々その不自然さが気になるものだが、この作品は現代劇じゃないことも幸いしてか比較的安心して観れた。
切腹の描き方や、勝元がペラペラ英語をしゃべったりするのはおかしいと思うが、アメリカ映画人の無知ではなく、映画的ウソの範疇。気にしちゃいけないね。
物語的には、異国の文化に目覚めるアメリカ人の話。知っている人なら、1990年度の米アカデミー賞受賞で話題になった『ダンス・ウィズ・ウルブス』(ケビン・コスナー監督)の日本版と言えば判り易いが、作品作りのスタンスが違い、作品の重みとしては『ダンス・ウィズ・ウルブス』にはとうてい及ばない。
『ダンス・ウィズ・ウルブス』がアカデミー賞を受賞したのは、もちろん作品の質もあるだろうが、アメリカの恥部をさらけ出したことの方が大きかったと思う。
それに比べ本作は、日本が舞台ということを除けば無難に作られた娯楽嗜好の大作ハリウッド映画でしかない。
で、単純な娯楽映画として観たら、可もなく不可もなくといったところで、日本人としてはハリウッドが日本の時代劇をこのぐらいの質にまとめてくれたんなら満足してもいいのかなってぐらいの印象しかない。日本人の琴線に触れる時代劇なら、本場はもちろんここ日本で、最近の『たそがれ清兵衛』(山田洋次監督)を筆頭に、いくらでも名作はあるわけだ。
渡辺謙の米アカデミー賞助演男優賞ノミネートで話題にはなったが、作品としては「渡辺謙のハリウッド進出の足掛かりになった作品」としか記憶に残らないと思う。
作品データ - Film Data
- 【キャスト】トム・クルーズ/ティモシー・スポール/ビリー・コノリー/トニー・ゴールドウィン/渡辺謙/真田広之/小雪/中村七之助/管田俊/福本清三/原田眞人/小山田シン
- 【監督/製作/脚本】エドワード・ズウィック
- 【製作/脚本】マーシャル・ハースコビッツ
- 【製作】トム・クルーズ/ポーラ・ワグナー/スコット・クルーフ/トム・エンゲルマン/
- 【脚本/原案】ジョン・ローガン
- 【製作総指揮】テッド・フィールド/リック・ソロモン/チャールズ・マルベヒル/ビンセント・ウォード
- 【撮影】ジョン・トール,ASC
- 【編集】スティーブン・ローゼンブラム,A.C.E/ビクター・ドゥボイス
- 【美術】リリー・キルバート
- 【衣装】ナイラ・ディクソン
- 【音楽】ハンス・ジマー
- 【配給】ワーナー・ブラザース映画
- 【原題】THE LAST SAMURAI
- 【字幕翻訳】戸田奈津子
- 【日本公開】2003年
- 【製作年】2003年
- 【製作国】アメリカ
- 【上映時間】154分
- 【公式サイト】http://www.lastsamurai.jp/

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