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2005年6 月20日 (月曜日)

【製作日誌】映画C:追憶のスイッチ

 今日もロケハン。

 自分は知らないんだが、去年の作品のロケで使ったという病院を訪れる。今年もお願いするから。
 造りは古いんだが、小奇麗な病院。レトロな感じ。
 自分が子供の頃は近所にもこんな町の病院があった。何度も親に担ぎこまれたっけ。懐かしい雰囲気。
 先生たちも大変気のいい方々。お昼ご飯を食べていくかと誘われてしまったが、さすがに丁重に断った。

 今回のロケは、ちょっと時代が古い設定なので、ハコモノ(建屋)のロケセットにしても、オープンにしても、懐かしさのこみ上げる場所が多い。
 この地を訪れるのは初めてだけど、広がる田園風景や小川のせせらぎに原体験を刺激される

 今回の作品は、ほとんどクライアント(企画かつ出資者)の生い立ちの再現映像のような内容で、正直言って映画的にはつまらない。
 だけど、ロケハンしながら自分の幼少期を思い出すうち、クライアントが求めているものがわかったような気がした。

 クライアントは自身の記憶を映像にとどめておきたいんじゃなかろうか。観客を喜ばすようなものは求められていないような気がする。
 筆者かみぃがこの地で原体験を蘇らせたように、一見すると淡々とした内容のこの映画ができあがったとき、クライアントがそれを観て、自分の半生、家族の思い出を振り返ることができるのなら、今回の仕事は成功のように思えてきた。

 クライアントが観たいのは、この映画じゃない。この映画をきっかけとして蘇るたくさんの記憶。
 いうなればこの映画は“追憶のスイッチ”。

 幾多作られる世の中の映画の中にはこんな映画もある。これぞ観られることによって完成する映画。
 今回の仕事に前向きになれた。

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