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2006年12 月20日 (水曜日)

【年間総括】2006年度映画総括 - 年間ベストテン

 気がつくと今年もあと10日ほどとなり、去年に引き続いて今年も年間ベストテン&総括をまとめてみました。

 対象作品は去年同様、日本アカデミー賞の対象作品に準ずることとし、単純に今年鑑賞した作品ということではなく、昨年の12月第一土曜日(2005年12月3日)以降に一般公開され、今年の第一土曜日の前日(2006年12月1日)までに公開された作品。(日本アカデミー賞には、さらに厳密な対象作品の規定があります。念のため)
 断るまでもなく、そのうちで自分が劇場で鑑賞した作品が対象です。
 具体的には、昨年暮れに鑑賞した『Mr.&Mrs.スミス』を含み、今年すでに鑑賞した作品の内、『市川崑物語』と『犬神家の一族』(2006年版)を除いた、合計40作品です。鑑賞作品数は昨年比5作品減ですが、これについては総括で後述します。

 それでは、筆者かみぃの2006年個人的年間ベストテン年間ワースト3個人賞各賞の発表です!

■年間ベストテン
1位『時をかける少女』(細田守監督)
 【満足度:★★★★★】
2位『ストロベリーショートケイクス』(矢崎仁司監督)
 【満足度:★★★★★】
3位『トゥモロー・ワールド』(アルフォンソ・キュアロン監督)
 【満足度:★★★★☆】
4位『スネーク・フライト』(デイヴィッド・エリス監督)
 【満足度:★★★★☆】
5位『雪に願うこと』(根岸吉太郎監督)
 【満足度:★★★★☆】
6位『暗いところで待ち合わせ』(天願大介監督)
 【満足度:★★★★☆】
7位『フラガール』(李相日監督)
 【満足度:★★★★☆】
8位『虹の女神 Rainbow Song』(熊澤尚人監督)
 【満足度:★★★☆】
9位『男たちの大和 YAMATO』(佐藤純彌監督)
 【満足度:★★★★☆】
10位『LIMIT OF LOVE 海猿』(羽住英一郎監督)
 【満足度:★★★★】
(次点)
 『グエムル-漢江の怪物-』(ポン・ジュノ監督)
 【満足度:★★★☆】

■監督賞
細田守(『時をかける少女』)

■主演男優賞
市原隼人(『虹の女神 Rainbow Song』)

■主演女優賞
田中麗奈(『暗いところで待ち合わせ』)
松雪泰子(『フラガール』)
(次点)
上野樹里(『虹の女神 Rainbow Song』)
池脇千鶴(『ストロベリーショートケイクス』)

■助演男優賞
佐藤浩市(『雪に願うこと』)

■助演女優賞
中村優子(『ストロベリーショートケイクス』)
蒼井優(『フラガール』)
(次点)
岩瀬塔子(『ストロベリーショートケイクス』)

■年間ワースト3
1位『日本沈没』(樋口真嗣監督)
 【満足度:☆】
2位『ラフ ROUGH』(大谷健太郎監督)
 【満足度:★】
3位『フライトプラン』(ロベルト・シュヴェンケ監督)
 【満足度:★☆】
(次点)
 『レディ・イン・ザ・ウォーター』(Mナイト・シャマラン監督)
 【満足度:★】

【総括】
 今年は去年に比べておおかた満足度の星(★)の採点に準じた順位となりました。今年は下半期に満足度の高い作品が多かったので採点に迷いが少なかったのが一因ですが、全体的に高得点を与えすぎて星の差がつかなかった印象もあります。来年はもう少し辛口の配点にしたいと思っています。
 では、順に振り返っていきましょう。

 今年のベスト1は古典的作品に大幅なアレンジを加えてリメイクした細田守監督の長編アニメーション映画『時をかける少女』。
 今年はこの傑作に尽きます。初めて観たときのインパクトは相当なものでした。ファンタジー好きで青春映画好きのかみぃのツボにずっぽりと刺さり、生涯の愛する映画ベスト3入り。
 サントラや関連書籍などのグッズを買い漁り、今日までにかれこれ通算8回は劇場に足を運び、ひとつの作品の劇場での鑑賞回数で自己新記録を樹立。と、まさに虜。
 去年に比べて今年の鑑賞作品数が少ないのは観る時間を作れなかったわけではなく、この作品への溺愛の結果と言えます。
 すでに世間的にも評価が高いので、ここで多くを述べる必要はないでしょう。

 今年第2位は、4人の若い女性の生き様を、痛々しさのにじみ出た恋愛模様を通して描いた『ストロベリーショートケイクス』。
 矢崎仁司監督の語り口に完全にしてやられました。物語的に大きな山場があるわけではないのに、最後のワンカットまで気の抜けない微妙な緊張感に息をのみ、観終わったときのなんとも言えないカタルシスに酔わされました。

 3位は近未来SFの『トゥモロー・ワールド』です。
 子供が産まれなくなった近未来という設定だけがSFですが、その実、今にも通じる内容で、人間はここまで追い詰められなければ命の大切さを身近に感じられなくなってしまったのかと考えさせられた秀作です。
 ストーリーと同時に、さりげなく駆使されたワンカット長回しなど、撮影技術にも唸らされました。

 4位は打って変わって、痛快娯楽作品の『スネーク・フライト』。
 飛行中の旅客機内に大量の毒ヘビを放つという、一発ネタとも言えるこの内容で2時間近く飽きさせずに魅せたこの技量はたいしたもの。是非続編を作って欲しい快作でした。

 5位は自分も製作にたずさわっていた『雪に願うこと』。
 手前味噌になってしまいますが、完成試写で観たとき既に、世間の評価が出るより前に手応えを感じていました。自分が未熟ゆえの失礼な話なのですが、撮影時に想像していたものとはまるで違う印象に仕上がったこの完成作品を観て、ベテラン根岸吉太郎監督の一筋縄ではいかない力量を見せつけられた思いがしました。
 そしてその結果が東京国際映画祭でのグランプリを含む史上初の四冠という快挙です。
 話はありきたりと言えばありきたりの若者の再生物語ですが、雪の北海道でのロケが存分に活かされた、じんわりと身に染みてくる感動作です。
 ばんえい競馬の危機を伝え聞いていますが、その魅力に魅了された一人としては、ぜひ存続してもらいたいものです。

 6位はつい最近に観た『暗いところで待ち合わせ』。
 これは田中麗奈の好演に尽きますね。未見の方には是非観ていただきたい。彼女の透明感を感じる澄んだ演技は必見です。
 映画としてはクライマックスの展開に少々不満もあるんですが、前半の静けさの中に描かれた臨場感のあるサスペンスは相当に上質な緊張感で、邦画のサスペンス映画として白眉の出来。さらに後半の展開もとても心温まるものでした。

 7位は『フラガール』。
 これは去年の『ALWAYS 三丁目の夕日』と同じ流れにある、懐かしい昭和の時代を舞台にした小話詰め込み幕の内弁当のような感動作ですが、こちらの方が話の展開に少し雑な印象がありました。
 しかし、力業とも言えるクライマックスでの盛り上がりは『ALWAYS~』のそれを上回っており、恐れ入りましたとひれ伏すしかない。
 この作品では松雪泰子と蒼井優の好演が記憶に残る。言っちゃなんだが、松雪泰子ってこんなにいい女優さんだったっけと唸らされました。
 蒼井優の方は今年、『男たちの大和 YAMATO』、『虹の女神 Rainbow Song』でも美味しいところで存在感をアピールしていましたが、やはりこの作品でのラストダンスこそが最高の出来で、強烈なインパクトを残しました。

 8位、9位がその『虹の女神 Rainbow Song』と『男たちの大和 YAMATO』。
 『虹の女神 Rainbow Song』はすごくいい雰囲気で好きなんだけど、ちょっと30代後半のおじさんには青臭く感じられた。
 『男たちの大和 YAMATO』も力作だとは思うんだけど、ドキュメンタリー的側面ではぬるさを感じてしまったため、硬派な作品としては中途半端な印象が残ってしまった。

 10位は『LIMIT OF LOVE 海猿』。
 王道の娯楽映画として楽しめたし、身体を張った水中撮影の素晴らしさを評価したい。

 ベスト作品についてはここまでとして、ワーストに触れると、飛び抜けて悪印象だったのが『日本沈没』と『ラフ ROUGH』の二本。
 『日本沈没』は原作ファンの自分としては、この改悪っぷりはとうてい許せない。ラストを変えただけでも憤慨ものなのに、この映画オリジナルの主人公二人のラブストーリーの幼稚さには閉口するしかない。どんな映画でも比較的寛容に観る自分だけど、この愚作には怒りの感情しか湧かなかった。
 『ラフ ROUGH』の方は原作を知らないのだけど、この作品はただ原作のダイジェストをつなぎ合わせただけのようで映画の体をなしていない。しょせんダイジェストの羅列なら、エンドロールで流れた劇中のスナップ写真を観ている方が凝縮度が高い分マシに思えたぐらい本編が印象に残らない駄作でした。

 個人賞各賞は印象に残っている方々です。
 相変わらず女優の方が印象に残るのは単に女好きなだけ(笑)のようにも思いますが、今年は去年にも増して絞りきれず、女優賞にも次点を設けてしまいました。

 ベストテンとして4位まではすんなり決まったけど、5位以降は完全に混戦です。数日して再考したら気分次第で順位が大幅に変わってもおかしくない気がしています。
 冒頭にも触れましたが全鑑賞作品につけている満足度の星は、今年は総じて高めに推移したので、来年はもう少し平均点を下げたいと思っています。

 以上、今年の総括でした。

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コメント (2)

こんにちは
今年観た映画は45本程度,そのうち映画館では14本(自分のブログにアップしたのが37本)でした.
当初の目標は,映画館で2本/月でしたから,実際には目標の半分.なかなか映画館で映画を観るのは難しいですね~

>しゅーさん
コメントありがとうございます。
定期的に映画観で観るのって意外と難しいですよね。
来年は年間50本を目標に頑張りたいと思います。

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