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2008年2 月27日 (水曜日)

【映画評】東京少女 (2008)

携帯電話がとりもつ平成の少女と明治の青年の時空を超えた青春恋愛ファンタジー。

【満足度:★★★☆】 (鑑賞日:2008/02/26)

 SF小説家を目指す女子高校生・未歩(夏帆)は母・妙子(秋本奈緒美)の再婚話を認められず、赤坂のホテルのレストランでの再婚相手・塩見(近藤芳正)との会食の席を逃げ出す。
 その途中、階段で突然の地震に逢った未歩は持っていた携帯電話を落とし、紛失してしまう。
 実はその携帯電話は時空を超え、明治時代の小説家志望の青年・宮田時次郎(佐野和真)のもとへ渡っていたのだが…。

 携帯電話を通じてのみ語り合うことができる100年の時を超えた恋愛青春映画。
 『天然コケッコー』での好演が記憶に新しい夏帆と、若手注目株の佐野和真が主演。
 監督は『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』でおじさん連中をも熱狂させた小中和哉監督。

 最初に断っておくと筆者はこの作品の制作に関わっていました。オチがわかっている上で観たので、伏線が登場した時点で泣けてきて、客観的には批評しようがないことを御了承願いたい。
 しかしオチを知っているのに、こんなにすんなり作品世界に引き込まれるとは予想していなかった。小中監督のしてやったりというところか。

 さらに言えば撮影現場の裏側を知っているので、あんな低予算ゆえの小規模、短期間のタイトな撮影で、(言っちゃなんだが)こんなまっとうな映画に仕上がっていることにも驚かされたり。
 ところどころ、とくに明治時代の描写に低予算作品ゆえの辛さを垣間見てしまうが、それもあまり気にならない。

 内容的にも台本を読んだときより遙かに好印象で、大人になりきれない少女の憤り、切なさが胸を打つ。
 恋愛映画としては予定調和的で今ひとつもの足りないが、少女の心の成長過程を切り取った青春映画としては夏帆の好演もあってまずまずの良作。

作品データ - Film Data

  • 【キャスト】夏帆/佐野和真/福永マリカ/清水めぐみ/千葉哲也/林和義/岡本信人/秋本奈緒美/近藤芳正
  • 【監督】小中和哉
  • 【脚本】林誠人
  • 【プロデューサー】丹羽多聞アンドリウ
  • 【製作】高西伸兒/渡辺香/仲尾雅至
  • 【共同プロデューサー】長生啓/小野寺直樹
  • 【音楽】遠藤浩二
  • 【ラインプロデューサー】鈴木浩介
  • 【撮影】小川信也
  • 【照明】梨本茂
  • 【音声】重松健太郎
  • 【美術】桜井陽一
  • 【編集】佐野由里子
  • 【製作】2008「東京少女」製作委員会(BS-i/TCエンタテイメント)
  • 【制作】BS-i
  • 【制作協力】ハニーバニー
  • 【配給】エム・エフボックス
  • 【日本公開】2008年
  • 【製作年】2008年
  • 【製作国】日本
  • 【上映時間】98分

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コメント (2)

mixiよりお邪魔しております。

「東京少女」制作に関わられているということで、素晴らしい作品をありがとうございます。最初TV局制作ということで、かなり不安に思いながら鑑賞しましたが、時空を超えて声は聞こえど、姿は見えず、というか会えずということで、とても切なく、浪漫ちっくで、時代を超えた普遍的なもので通じあう淡い恋が、とても爽やかでよかったです。もう「でえと」で100年前からあるお店に寄る辺りから感涙です。また素晴らしい作品を是非作って下さい。

またお邪魔します。

>ジョルジュ・トーニオさん
コメントありがとうございます。
制作に関わっていたと言っても、批評に書いているように自分でもその出来に驚いたぐらいで、やっぱり監督&キャストあってこその映画だったように思います。
これからも宜しくです。またおいでになってください。

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