【映画評】インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 (2008)
あのインディ・ジョーンズが19年ぶりに帰ってきた!
『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』から19年、あの冒険活劇が復活。
今回は神秘の力を秘めた水晶のドクロをキーに、失われた黄金の都を探す冒険。
正直なところインディ・ジョーンズにはとりたてての思い入れもないのに先行上映で観てきた。
結論から先にいうと、古典的なアクション映画としての見応えはあるのに、微妙な仕上がりが残念な作品となってしまった。
冒頭から冒険活劇の名に恥じないアクションに次ぐアクションの連続、ノンストップで飛ばしまくる。
スティーブン・スピルバーグ監督の演出も冴え渡り、見応えは充分。
しかし、なぜかノリ切れない。インディが老いたせいではない。個々のアクションは素晴らしいのだが、物語そのものに魅力を感じられないのだ。
そもそも王道をゆく痛快娯楽作なんだから無難にまとめてくれればほどほど面白くなりそうなものだが、ごまかしきれないアイデアの貧しさが作品自体を貧相にしてしまっている。
鍵となる神秘的なドクロの正体がなんのひねりもなく、アレだもんなあ。(しかも作りがちゃっちい)
さらに追い打ちをかけるように、たどり着いた黄金の都の豪快なオチ、そりゃないでしょう。(あれはスピルバーグ監督のセルフ・パロディのつもりなんだろうか)
“神秘的なもの”を拡大解釈すればこういう落としどころもなくはないけど、“考古学者”インディの活躍するこのシリーズの世界観にはふさわしくないとは思わなかったのかねえ、製作者たちは。
あと、映画が始まって早々、小ネタ的にインディが核実験に巻き込まれるんだけど、そこも、被爆地ヒロシマ出身の筆者には笑えなかった。
ぶっ飛んだブラック・コメディの映画ならそんな堅苦しいこと言わないんだけどさ、あれ、本来笑い事じゃ済まない状況だからね。
ちょっと悪ふざけが過ぎるというか、あれが高層ビルに突っ込もうとする旅客機から逃げまどうインディでもアメリカ人は笑えるんですか?ってことよ。
全体的に、どうも製作者たちが『インディ・ジョーンズ』という良質の素材に甘えてる印象を受ける。
20年近くも眠らせていた間に、志まで老いてしまったかのよう。
同じ方向性なら、今年観た『ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記』の方がぜんぜん刺激的で面白かったし、上映前に予告編が流れた『ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝』の方がはじけていそうで今から楽しみ。
出来のいいアクションシーンや、シリーズのファンがにんまりするエピソードとか、いいところもいっぱいあるのに、消化不良がもったいない凡作。
作品データ - Film Data
- 【キャスト】ハリソン・フォード/ケイト・プランシェット/カレン・アレン/ジョン・ハート/シャイア・ラブーフ/レイ・ウィンストン/ジム・ブロードベント/イゴール・ジジキン
- 【監督】スティーブン・スピルバーグ
- 【製作総指揮】ジョージ・ルーカス/キャスリーン・ケネディ
- 【プロデューサー】フランク・マーシャル
- 【共同プロデューサー】デニス・L・スチュワート
- 【脚本】デビッド・コープ
- 【ストーリー】ジョージ・ルーカス/ジェフ・ネイサンソン
- 【原案】ジョージ・ルーカス
- 【プロダクション・デザイナー】ガイ・ヘンドリックス・ディアス
- 【撮影】ヤヌス・カミンスキー
- 【編集】マイケル・カーン
- 【音楽】ジョン・ウイリアムズ
- 【衣裳デザイナー】メアリー・ゾフレス
- 【視覚効果スーパーバイザー】パブロ・ヘルマン
- 【サウンド・デザイナー】ベン・バート
- 【原題】INDIANA JONES and the KINGDOM OF THE CRYSTAL SKULL
- 【字幕翻訳】戸田奈津子
- 【日本公開】2008年
- 【製作年】2008年
- 【製作国】アメリカ
- 【上映時間】122分
- 【公式サイト】http://www.indianajones.jp/
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リンクとTB、ありがとうございました。
そう、あのきのこ雲は正視できませんでした。それを平気で見ているインディーも非現実的。いえ、わくわくする非現実ならいいんですけどね。
投稿情報: Tompei | 2008年6 月16日 (月曜日) 10:17
>Tompeiさん
コメントありがとう。
娯楽映画なんだし堅いこと言いたくないけど、娯楽だからこそ、あんな軽率なシーンは入れて欲しくなかったです。
またいらしてくださいね。
投稿情報: かみぃ | 2008年6 月16日 (月曜日) 22:00