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2009年3 月 6日 (金曜日)

【映画評】20世紀少年-第2章-最後の希望 (2008)

「よげんの書」の導きで世界が破滅に向かう人気コミックの映画化第二弾。

【満足度:★】 (鑑賞日:2009/01/31)

 浦沢直樹原作の人気コミック実写映画化三部作の第二弾。
 素材の良さは認めながらも、いまひとつのめり込めなかった第一弾だったのでそれほど期待していなかったが、予想の上を行くつまらなさに辟易。

 もうすぐEXPO2015が開催されようとしている2015年、犯罪の巣窟と化した東京の裏路地で、一人の男が殺された。謎の言葉を残して。
 2000年12月31日の「血の大みそか」から14年、“ともだち”率いる友民党は国家の中枢にまで侵食していた。
 たくましく育ったカンナ(平愛梨)は、ユキジ(常盤貴子)に生活の面倒を見てもらいながら高校に通っている。血の大みそか以来行方不明の叔父ケンヂ(唐沢寿明)の安否を気遣いながら…。

 例によって原作未読ですので、それとの比較はできませんのであしからず。

 あらかじめ予定されている三部作の中盤ゆえ、よほどうまくやらなければ“つなぎ”にしかならないのは想定済み。
 そういう意味ではハードルを下げて観たつもりだが、「中弛みにもほどがある」と言いたくなるだらしない展開にあきれかえるほかない。

 結局この第二章の主旨は最後のアレを見せて第三章につなぎたかっただけなんだろう。
 ともだちランドわけわからん。というか、バーチャルゲームつまらんし、カンナとケンヂの“初対面”とか、なんでもありのやりたい放題にしらける。
 ユースケ・サンタマリア演じるサダキヨのエピソードも時間稼ぎにしか感じられないし。

 第一章での堤監督は後半息切れした感もあったが、彼らしいケレン味たっぷりの演出で観客を楽しませたのに対し、今回は正攻法で攻めてきた印象。
 ただそれが成功しているとは言い難く、さっさと第三章に取りかかりたくて手軽に済ませたなという印象すらある。
 まあ、この大作のスケールに対してスケジュールが足りなさすぎるだろうと同情はするのだが。

 この作品の魅力の一つである多彩なキャスト陣は今回も健在。

 3000倍という競争率のオーディションを勝ち残ってカンナ役を射止めたという平愛梨は、さして演技が巧いというわけでもないが、作品の華としてのオーラは感じとれる。
 だが今回の一番の功労者は高須役の小池栄子じゃなかろうか。彼女の鬼気迫るハイテンションな演技は、並のグラビア・タレントでは終わらない女優・小池栄子を印象付けるに充分な好演。
 一方で今回の主要キャラの一人であるサダキヨ役のユースケ・サンタマリアは、その役のへんてこさもあって損な役回りだったかな。

 とても全員を覚えるのが難しいほど個性派キャラたちで埋め尽くされた今作の中で印象に残ったのがもう一人、カンナの同級生・響子役の木南晴夏。
 何度もカンナと行動を共にするお陰で出番が多かったせいもあるが、役のポジション的には雑多な脇役の一人でしかないのに、その弾けた演技でこの曲者揃いの俳優陣の中で印象を残したのは立派。
 彼女はカンナ役の平愛梨に負けないほどのチャンスをものにしたかもしれない。最終章に限らず、彼女の今後に期待。

 さて、内容的にははなはだ最終章への不安が残る散々な第二章だったのだが、次は今秋公開ということで、もう少し製作期間もありそうだし、どんな風呂敷のたたみ方を見せてくれるか、そこに最後の希望を託しておこう。

作品データ - Film Data

  • 【キャスト】豊川悦司/常盤貴子/平愛梨/香川照之/藤木直人/石塚英彦/宇梶剛士/小日向文世/佐々木蔵之介/山寺宏一/森山未來/古田新太/小池栄子/木南晴夏/ARATA/前田健/荒木宏文/六平直政/佐藤二朗/片瀬那奈/光石研/西村雅彦/石丸謙二郎/佐々木すみ江/梅津栄/ユースケ・サンタマリア/田中健/西村和彦/手塚とおる/田鍋謙一郎/甲本雅裕/田中要次/はなわ/Samat Sangsangium/陳昭榮/山崎樹範/設楽統(バナナマン)/日村勇紀(バナナマン)/野添義弘/Fred McQueen/Agusto Dallara/徳光和夫/竜雷太/研ナオコ/小松政夫/石橋蓮司/中村嘉葎雄/黒木瞳/唐沢寿明
  • 【監督】堤幸彦
  • 【原作】浦沢直樹「20世紀少年」
  • 【企画】長崎尚志(スタジオピー)
  • 【製作指揮】島田洋一
  • 【製作】堀越徹/亀井修/島谷能成/平井文宏/西垣慎一郎/島本雄二/大月昇/和田倉和利/長坂信人/板橋徹
  • 【エグゼクティブプロデューサー】奥田誠治
  • 【脚本】長崎尚志/渡辺雄介
  • 【脚本監修】浦沢直樹
  • 【プロデューサー】飯沼伸之/甘木モリオ/市山竜次
  • 【Coプロデューサー】大村信
  • 【音楽監督】白井良明
  • 【音楽】白井良明/長谷部徹/AudioHighs/浦沢直樹
  • 【セカンドユニット監督】木村ひさし
  • 【撮影】唐沢悟
  • 【美術】相馬直樹
  • 【照明】木村明生
  • 【録音】鴇田満男
  • 【編集】伊藤伸行
  • 【スクリプター】吉田久美子
  • 【VFXスーパーバイザー】野崎宏二
  • 【音響効果】北田雅也
  • 【現場編集】似内千晶
  • 【Bカメ】杉山紀行/山田洋和
  • 【VE】吉岡辰沖
  • 【装飾】茂木豊
  • 【キャスティング】オガワシンジ
  • 【助監督】白石達也
  • 【制作担当】吉崎秀一
  • 【ラインプロデューサー】鶴賀谷公彦/井上潔
  • 【制作プロダクション】株式会社シネバザール/株式会社オフィスクレッシェンド
  • 【配給】東宝
  • 【日本公開】2009年
  • 【製作年】2008年
  • 【製作国】日本
  • 【上映時間】140分

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