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2009年3 月12日 (木曜日)

【映画評】感染列島 (2009)

爆発感染(パンデミック)の恐怖が日本全土を襲う!

【満足度:★☆】 (鑑賞日:2009/01/20)

 あらゆる治療法、ワクチンが通用しない謎のウイルスの爆発感染(パンデミック)の恐怖を描いたパニック・ムービー。
 最近の大作では珍しい、完全オリジナルストーリーによる作品。
 一からこれだけの大作を作り上げたことは評価したいのだが、いかんせん、お話の顛末がお粗末。

 救命救急医・松岡剛(妻夫木聡)の勤める東京都いずみ野市立病院での死者を発端に爆発的な感染を始めた新型ウイルスと目される未知の病原体。
 時同じくして市内の養鶏場で鳥インフルエンザが発生。経営者の神倉(光石研)は世間から新型ウイルスの発生源として非難される。
 歯止めのきかない感染に市立病院は、WHO(世界保険機構)から派遣されたメディカルフィクサー・小林栄子(檀れい)の指示で隔離され、神倉養鶏場には大学教授・仁志(藤竜也)を筆頭とする調査団が入るのだが…。

 爆発感染が日本中を恐怖に陥れていく前半は悪くない。爆発感染が起こった場合の病院や政府の対処など、かなり下調べしたんだろう、なかなか“らしい”雰囲気で話は進む。
 しかし、東京の街がゴーストタウンのようになるあたりから、どんどんそういったリアリティが手抜きになって、あげくにクライマックスは爆発感染にかこつけた悲劇のラブストーリーで無理矢理盛り上げるという、やけに陳腐なメロドラマで締められてしまう。

 みんな感染で死んでしまったのか、はたまた単に建物の中に閉じこもっているだけなのかといった明確な説明はないが、とりあえずゴーストタウンのように人気が無くなった都心。防護服に身を包んだ役人だか警官だかが感染者を見つけては連れ去っているその中を、だけどなぜか松岡や栄子たちはマスクも付けないまま平然と歩いているのは、どうにも不可思議。
 あるいは都心を映しだした空撮であちこちのビルの谷間から煙が立ち上っている、あれはいったい何?火災のつもり?ウイルス感染と火災の因果関係は?
 いや、ひょっとしたら明確な科学的、社会的、行動学的理由付けがあるのかもしれないけれど、この映画を観る限り、「どう、すごいCGでしょ」っていう傲りしか感じられない。

 後半のメロドラマに至っては、もう勝手にやって、って感じ。
 日本中をどん底に突き落とす大事件のさなか、なんで松岡&栄子のなれそめ回想シーンで延々と引っ張るかなぁ。
 いや確かに、泣ける話ですよ。けど、そこを大々的なクライマックスにしちゃうって、完全に作品の軸がぶれてるでしょうに。

 恐怖を哀れみにすり替えて、骨抜きにされた失敗作としか言いようがない。

作品データ - Film Data

  • 【キャスト】妻夫木聡/檀れい/国仲涼子/田中裕二(爆笑問題)/池脇千鶴/カンニング竹山/光石研/キムラ緑子/嶋田久作/金田明夫/正名僕蔵/ダンテ・カーヴァー/小松彩夏/三浦アキフミ/夏緒/太賀/宮川一朗太/馬渕英俚可/三浦浩一/武野功雄/仁藤優子/久ヶ沢徹/佐藤恒治/松本春姫/山中敦史/山中聡/山本東/吉川美代子(TBSアナウンサー)/山中秀樹/佐藤浩市/藤竜也
  • 【監督】瀬々敬久
  • 【プロデューサー】平野隆
  • 【企画】下田淳行
  • 【共同プロデューサー】青木真樹/辻本珠子/武田吉孝
  • 【音楽】安川午朗
  • 【ラインプロデューサー】及川義幸
  • 【ユニットプロダクションマネージャー】大崎裕伸
  • 【撮影】斉藤幸一
  • 【照明】豊見山明長
  • 【美術監督】金勝浩一
  • 【美術】中川理仁
  • 【録音】井家眞紀夫
  • 【VFXスーパーバイザー】立石勝
  • 【編集】川瀬功
  • 【スクリプター】江口由紀子
  • 【助監督】李相國
  • 【製作担当】藤原恵美子
  • 【主題歌】「夢の蕾」レミオロメン [作詞/作曲]藤巻亮太 [Produced by]小林武史&レミオロメン
  • 【製作】映画「感染列島」製作委員会(TBS/東宝/電通/MBS/ホリプロ/CBC/ツインズジャパン/小学館/RKB/朝日新聞社/HBC/RCC/SBS/TBC/Yahoo! JAPAN)
  • 【制作プロダクション】ツインズジャパン
  • 【配給】東宝
  • 【日本公開】2009年
  • 【製作年】2009年
  • 【製作国】日本
  • 【上映時間】138分

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「感染列島」(監督:瀬々敬久) ある日、いずみ野市立病院に救急患者が搬送されて来る。それは救命救急医・松岡剛(妻夫木聡)が前日診たばかりの患者だった。前日は単なる風邪に見えた病気は、しかしその日、激烈な症状に変わった。救命病棟で激しく咳き込むと吐血、そして流す涙が赤く染まる。必死の努力にも関わらずその患者は目の前で死亡した。それから間もなく、同様の症状の症例かポツポツと報告され始めると、総務省の、そして政府の対応は後手を踏み、感染が激烈なスピードで拡大。いずみ野市立病院も感染患者の隔離など対応に追... [続きを読む]

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