【映画評】マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと (2008)
やんちゃ犬と共に歩む夫婦の成長を描いた心温まる感動作。
サブタイトルや予告編のイメージから、バカ犬・マーリーに振り回されるドタバタ・コメディを予想していたんだが、実際はちょっと違っていた。
しかし、犬好きの人なら大いに共感できるであろうエピソードがいっぱい詰まっていて、そういう意味では期待を裏切らない。
ミシガン州の記録的な春の雪の日に結婚式を挙げたジャーナリストのジョン(オーウェン・ウィルソン)とジェニー(ジェニファー・アニストン)。
結婚を機に常夏のフロリダに転居した二人は、子育ての予行演習として犬を飼うことにする。
家族の一員として迎えられたのはラブラドール・レトリーバーの子犬・マーリー。ただこのマーリー、ことあるごとに二人を悩ませる途方もないやんちゃ犬だった…。
ということで、もちろんマーリーを軸に話は展開するのだが、マーリーはどちらかというと脇役、内容的には新婚夫婦の大人の成長ドラマと言った方がいい。
少なくとも子供が楽しめるようなファミリー映画とは違うと思うので、幼い子供と家族連れで観ようと思っている人は注意。
この映画の中で描かれるのは、一見幸せそうなカップルがそれぞれに悩みを抱えながらも苦楽を分かち合い、ごく普通の幸せを紡いでいく、まさに人生そのものの機微。
映画の中のジョンとジェニーは、その生活スタイルから日本の大多数の庶民の感覚よりは少しばかり裕福そうに見えるのだが、新婚生活や仕事の選択、子育てなどにまつわる悩みは万国共通なようで、最初に受けた印象よりずっと身近に感じられた。
人生いろいろ大変なことや思い通りにいかないこともあるけれど、それでも家族でいるって幸せなことじゃない?そんな優しい気持ちにさせてくれる映画だ。
ただ、ラストのマーリーに対する選択だけは日本人には共感しづらいかもしれない。これが日本映画だったらまずこういう結末にしないだろう。
映画的にはこんな辛口な終わり方もありかとは思うんだけど、いざ自分がその立場だったらなかなかこういう選択はできない気がする。
そこも含めて楽しいことだけじゃない人生の苦みとして共感するなら、この映画はきっとまたとない珠玉の作品となるだろう。
そんな懐の深さも持ち合わせたハートフル・コメディの良作。
作品データ - Film Data
- 【キャスト】オーウェン・ウィルソン/ジェニファー・アニストン/エリック・デイン/キャスリーン・ターナー/アラン・アーキン/ネイサン・ギャンブル/ヘイリー・ベネット
- 【監督】デヴィッド・フランケル
- 【脚本】スコット・フランク/ドン・ルース
- 【原作】ジョン・グローガン
- 【製作】カレン・ローゼンフェルト/ギル・ネッター
- 【製作総指揮】アーノン・ミルチャン/ジョー・カラッシオロ・Jr.
- 【撮影監督】フロリアン・バルハウス
- 【プロダクション・デザイナー】スチュアート・ワーツェル
- 【編集】マーク・リヴォルシー,A.C.E.
- 【音楽】セオドア・シャピロ
- 【音楽スーパーバイザー】ジュリア・ミシェルズ
- 【衣裳】シンディ・エヴァンス
- 【キャスティング】マージェリー・シムキン
- 【配給】20世紀フォックス映画
- 【原題】Marley & Me
- 【字幕翻訳】松浦美奈
- 【日本公開】2009年
- 【製作年】2008年
- 【製作国】アメリカ
- 【上映時間】118分
- 【公式サイト】http://www.marley-movie.jp/
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