【映画評】レイン・フォール/雨の牙 (2009)
東京の街で暗躍する日系アメリカ人の暗殺者ジョン・レインが、仕留めたターゲットの娘を守ることになるサスペンス・アクション。
アメリカで人気の原作をオーストラリア人監督が映画化した日本出資の日本映画。
東京を舞台にし、ほとんどのキャストが日本人なのはやはり邦画っぽいが、見慣れた光景も外国人監督の手にかかるとなかなか新鮮に映る。
ただ、まるでサスペンス感のない追跡劇は退屈で、無駄に台詞の多い脚本も平凡以下。
日系アメリカ人の暗殺者ジョン・レイン(椎名桔平)は、国土交通省の官僚・川村安弘(中原丈雄)の暗殺に成功する。
しかし、今回の仕事にただごとならぬ不穏を感じたレインは、川村の娘・みどり(長谷川京子)に近づくが…。
目を惹いたのは導入部だけ。
映像的に凝ろうとしているのはわかるが、終始それだけに頼られるとさすがに飽きる。
アクション映画の割に説明台詞が多くてテンポも悪い。
高級官僚だけが手に入れられる極秘機密ってのがあまりに陳腐で、そんなネタ、日本人なら誰でも知ってるよレベルの汚職情報で失笑。
さらにナイフ投げの文字通り投げやりなカット割りとか、無闇に大げさなBGMでB級臭さ全開と来たもんだ。
ヤクザの親分が柔道の稽古をしていたり、追っ手から身を隠すレインとみどりが旅館のふとんで枕を並べる様がどこか滑稽なのは、この手の外国人から見た日本の描写に付きもののご愛敬。
そういう意味ではかなりまともな方だとは思うんだけど。
しかし、無数の監視カメラの映像からレインたちを見つけ出すという、一番サスペンス的でなくちゃいけないところがろくに描かれていなくて、追跡シーンにまったく緊張感が無いのは致命的。
そこを巧く描けばゲイリー・オールドマンの怪演もあって、もう少しおもしろくなったはずと思えるだけにもったいない。
役者に目を転じると、椎名桔平の演技はいつものそれで、悪くはないが良くもないといった感じ。
気が短くて部下たちをまくし立てるCIAアジア支局長ウィリアム・ホルツァーを演じる名優ゲイリー・オールドマンの怪演は目に焼き付くものだが、演出がまずいので空回り。
今回やけに張り切ってるなと感じたのはレインを追う刑事役の柄本明。なんだか妙に表情豊かな芝居を見せる。
久しぶりに見たような気がする清水美沙もけっこういい。役柄の割に意外と印象に残る好演。
一方で悪い予想が当たってやはり地雷だったのはヒロイン・みどりを演じた長谷川京子。
黙っていれば凛としたたたずまいは悪くないんだが、台詞を口にすると途端にボロが出て見てられない。
一生懸命演じているんだろうけど、今の彼女にこういう重要な役どころはとても無理。
この程度の出来じゃたぶん当たんないだろうな。
残念ながら、続編は作らなくていいです。
作品データ - Film Data
- 【キャスト】椎名桔平/長谷川京子/ゲイリー・オールドマン/柄本明/清水美沙/ダーク・ハンター/中原丈雄/若松武史/小木茂光/浜田晃/平山祐介/坂東工
- 【監督/脚本】マックス・マニックス
- 【原作】バリー・アイスラー
- 【撮影監督】ジャック・ワーレハム
- 【美術監督】山崎秀満
- 【編集】マット・ベネット
- 【音楽】川井憲次
- 【テーマソング】ジョン・レジェンド「ディス・タイム」
- 【配給】ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
- 【字幕翻訳】寺尾次郎
- 【日本公開】2009年
- 【製作年】2009年
- 【製作国】日本
- 【上映時間】111分
- 【公式サイト】http://rain-fall.jp/
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