【映画評】ミスト (2007)
霧(ミスト)の中から襲い来る“何か”が悪夢を呼び起こすパニック・ホラー。
片田舎の湖が突如謎の霧(ミスト)に覆われ、町の人々を恐怖に陥れる絶望の映画。
『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』で知られるフランク・ダラボン監督が再度スティーヴン・キング原作で描く衝撃のパニック・ホラー。
話題作『クローバーフィールド/HAKAISHA』に設定が似ていて、主観映像ではないもののドキュメンタリータッチの手持ち撮影が多いのも演出の方向性が同じことを示している。
しかし、映画としての深みはこちらが遙かに上。この『ミスト』を観ると『クローバーフィールド/HAKAISHA』がいかにうわべだけの映画かよくわかる。
極限まで追い詰められた人間の恐ろしさを描いたなんて謳い文句は珍しくもないが、この映画での追い込み方は半端ない。
そういう意味では満点をあげていい。ほんとによくできてる。
ただここまで褒めておいてなんだが、この映画を好きかと訊ねられたら躊躇無く嫌いと答える。
誰が好き好んでこんな救いのない映画観たいと思うか。ただ、この映画の場合はそれすらも褒め言葉になってしまうのだが。
映像製作に携わる端くれとして、ここまでの絶望を突きつけられると、こんな“悪趣味な”作品を商業映画として大々的に公開していいものかと懐疑的になってしまう。
映画としての質が高いのは認める。だが、この作品はレンタルDVD屋さんの片隅で、マニアックなホラー作品などと並んでひっそりと置かれている、隠れた名作的な扱いにとどめておいた方がいいように思うのだ。
後味の悪い映画として後世まで語り継がれる映画史に残る作品には違いないとは思うので、一応、一見の価値はあると言っておく。
ただ精神的にかなりくる結末なので、体調&精神状態の良好なときに、相応の覚悟で臨んでください。
作品データ - Film Data
- 【キャスト】トーマス・ジェーン/マーシャ・ゲイ・ハーデン/ローリー・ホールデン/アンドレ・ブラウアー/トビー・ジョーンズ/ウィリアム・サドラー/ジェフリー・デマン/フランシス・スターンハーゲン/アレクサ・ダヴァロス/ネイサン・ギャンブル/クリス・オーウェン/サム・ウィットワー/ロバート・C・トレヴェイラー/デヴィッド・ジェンセン/ケリー・コリンズ・リンツ
- 【監督/脚本】フランク・ダラボン
- 【原作】スティーヴン・キング
- 【製作】フランク・ダラボン/リズ・グロッツァー
- 【共同製作】ランディ・リッチモンド/アンナ・ガルドゥーニョ/デニース・ヒュース
- 【製作総指揮】ボブ・ワインスタイン/ハーヴェイ・ワインスタイン/リチャード・サパースタイン
- 【音楽】マーク・アイシャム
- 【撮影】ローン・シュミット
- 【編集】ハンター・M・ヴィア
- 【キャスティング】デボラ・アキラ/トリシア・ウッド
- 【プロダクション・デザイン】グレゴリー・メルトン
- 【衣装】ジョヴァンナ・オットーブル=メルトン
- 【クリーチャーデザイン/特殊メイク】グレゴリー・ニコテロ/ハワード・ベルガー
- 【VFX】CafeFX社
- 【視覚効果監督】エヴェレット・バレル
- 【配給】ブロードメディア・スタジオ
- 【原題】The Mist
- 【字幕翻訳】松浦美奈
- 【日本公開】2008年
- 【製作年】2007年
- 【製作国】アメリカ
- 【上映時間】125分
- 【公式サイト】http://www.mistmovie.jp/

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