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2009年7 月 3日 (金曜日)

【映画評】それでも恋するバルセロナ (2008)

性格が正反対の女ふたりが経験するひと夏のアバンチュール。

【満足度:★★★】 (鑑賞日:2009/07/02)

 女友達ふたりがバカンス先のバルセロナで繰り広げるひと夏の危険な恋を、軽妙な語り口で描いたロマンティック・コメディ。
 なんとも、平凡な男の自分には“居場所”のない作品でした(苦笑)。おそらくこの映画は、女の人が登場人物の女性たちに自分を投影して観る映画なんでしょう。
 自分が共感できそうなキャラはいなかったけど、これはこれで楽しめたよ。
 ちなみに本作でペネロペ・クルスが2009年第81回アカデミー賞助演女優賞を受賞。

 親友のクリスティーナ(スカーレット・ヨハンソン)とヴィッキー(レベッカ・ホール)は夏のバカンスを過ごすため、スペインのバルセロナを訪れる。
 ふたりが深夜のレストランで食事をしていると、昼間画廊で出会った画家フアン・アントニオ(ハビエル・バルデム)から声を掛けられる。
 フアンはマリア・エレーナ(ペネロペ・クルス)とドロ沼離婚したばかりだったが、ふたりに「これから飛行機でオビエドに行って、食事やワインを楽しんだあと、夜はセックスしないか?」と誘う。
 突拍子もない申し出に、堅実なヴィッキーは憤慨するが、奔放なクリスティーナは興味を示すのだった…。

 軽いラブコメを連想させるタイトルだけでろくに予備知識もなく観たら、監督がウディ・アレンでちょっとびっくり。ウディ・アレン作品を観たの、『カイロの紫のバラ』(1985年)以来だったのよ。しかも、その内容を覚えてないし(汗)。
 が、それ以上に驚いたのが、色男フアンを演じていたのが、『ノーカントリー』で冷徹な殺人者シガーを演じたハビエル・バルデムだったこと。パンフ見るまでぜんぜん気付かなかったわ(滝汗)。

 さすがベテラン、アレン監督の熟練の技が冴え渡り、唐突な恋の始まりからしてそうなように、まるで先の読めない恋の行方がスリリングで面白かった。
 まあ、むちゃな展開をすればするほど、落としどころは「おそらくそうなるだろうな」と予想したような終わり方だったけど。
 ストレートなラブコメとはちょっと違う、ウィットに富んだ恋愛模様を、男の自分は怖いもの見たさ的に楽しんだけど、女性なら憧れるところがあるのかな?

 女性映画で数々の秀作を送り出したアレン監督だけあって、登場する女性たちは皆ひと癖あるキャラクターだが、皆さん惚れ惚れするほどお美しい。
 あと、スペインの街並みも、ここなら情熱的な恋も生まれるよと納得してしまうほどきらめいてるし、アカデミー賞助演女優賞を受賞したペネロペ・クルスの鬼気迫る演技がまた、誰が受賞したか知らずに観ても、このマリア役の人だろってわかるほど真に迫ってる。

 結果がみえみえの恋愛成就ものには飽きたという女性にお勧めの、大人のための苦みの効いた楽しい恋愛映画の佳作といったところか。

作品データ - Film Data

  • 【キャスト】スカーレット・ヨハンソン/ペネロペ・クルス/ハビエル・バルデム/レベッカ・ホール/パトリシア・クラークソン/ケヴィン・ダン/クリス・メッシーナ/ザック・オルス/キャリー・プレストン/パブロ・シュライバー/クリストファー・エヴァン・ウェルチ/ホアン・ケセダ/エミリオ・デ・ベニート/マネロ・バルセロ/ホセ・マリア・ドメネック
  • 【監督/脚本】ウディ・アレン
  • 【製作】レッティ・アロンソン/ギャレス・ワイリー/スティーヴン・テネンバウム
  • 【共同製作】ヘレン・ロビン
  • 【製作総指揮】ハウメ・ロウレス
  • 【共同製作総指揮】ジャック・ローリンズ/チャールズ・H・ジョフィ/ハビエル・メンデス
  • 【撮影監督】ハビエル・アギーレサロベ
  • 【美術】アラン・バネ
  • 【編集】アリサ・レプセルター
  • 【衣装】ソニア・グランデ
  • 【キャスティング】ジュリエット・テイラー/パトリシア・・ディセルト
  • 【配給】アスミック・エース
  • 【原題】Vicky Cristina Barcelona
  • 【字幕翻訳】古田由紀子
  • 【日本公開】2009年
  • 【製作年】2008年
  • 【製作国】アメリカ/スペイン
  • 【上映時間】96分

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