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2009年7 月13日 (月曜日)

【映画評】モンスターVSエイリアン [3D] <日本語吹替版> (2009)

隕石によって身長15メートルに巨大化してしまった女性が個性的なモンスターたちと協力して地球を狙うエイリアンと闘う3D-CGアニメーション。

【満足度:★★★☆】 [3D映画] <日本語吹替版> (鑑賞日:2009/07/12)

 様々な古典モンスター映画のパロディーになっているとの前情報があったので、わからないネタがあったらどうなんだろうという懸念があったんだが、なかなかどうして、純粋に面白かったわ。

 カリフォルニアに住むスーザン(声:ベッキー)は、その日、デレクとの結婚の日だった。
 式の直前、スーザンは空から降ってきた隕石と衝突してしまう。幸いケガもなく、何事もなかったかのように始まる結婚式。
 しかしそのまっただ中、スーザンの体が突然巨大化して教会の天井をも突き抜けてしまう。慌て逃げまどう式の参加者たち。
 何が起こったかわからず狼狽するスーザンは、駆けつけた軍隊に捕らえられ…。

 3D映画(立体映画)版を日本語吹き替え版にて鑑賞。
 外国語映画は基本的に字幕派なんだけど、この映画、上映館のほとんどで吹き替え版しかやってない上、せっかくの3D版に至っては字幕版は皆無のようなので。

 まずは主人公の巨大化した花嫁スーザンがとびきり愛らしい。
 モンスター扱いされてしまうけれど、ただ体がおっきくなっているだけで、心の機微はどこにでもいる平凡な女の子そのもの。
 わけもわからず地球に攻めてきたエイリアンとの闘いに駆り出される中、にわかにたくましくなっていくのが微笑ましい。
 ふざけた化け物映画と思いきや、シニカルな笑いをちりばめつつも異端に目を向けた一貫したテーマで彼女の自立が描かれていて、最後にはすがすがしい感動を与えてくれる。

 スーザンの仲間になる個性豊かなモンスターたちも愉しくて、見かけによらず意外と頼りになる奴らなんだ。
 願わくば、もう少しそれぞれの特技を活かした戦いが見たかったかな。
 ぜひ続編を制作していただいて、この愛すべきモンスターたちのさらなる活躍を見せて欲しい。

 『スパイキッズ3-D:ゲームオーバー』(2003年、ロバート・ロドリゲス監督)以来、久しぶりに観た3D映画としては、過度に飛び出す演出は控えめな代わりに、奥行きのある演出が自然で、3D映画の成熟を感じた。
 意図的に立体感を目立たせる演出から、あくまで演出方法の手段のひとつになっているという感じ。

 テレビ放映時ぐらいしか観ることのなかった日本語吹替版についても、アニメーションということもあって違和感なく楽しめた。
 声優のタレント枠、主役のスーザン役を務めたベッキーは、もう少しメリハリがあった方がいいように感じた瞬間もあったが下手じゃない。充分合格点をあげられる。
 ゼリー状のモンスター・ボブ役バナナマンの日村勇紀は見事にはまっていて、本職の声優さんたちの中でもまったく遜色なし。

 気になったのは鑑賞後の方で、上映館が日本語吹き替え版を主体にするというのなら、パンフレットもちゃんとそれに追随させるべきじゃないのか。
 日本語吹き替え版の声優として紹介されているのがタレント枠だけというのはいかにもお粗末。せめて主要キャスト陣は載せなくちゃ声優さんたちが報われないじゃない。吹き替え版の翻訳者である岸田恵子さんの名前だって載せておいて欲しい。
 一応上映後のテロップでは一通り出ていたが、持ち帰れる資料としてはパンフレットになるのだから。

 最後に、子供はもちろん、大人でも存分に楽しめるファミリー映画になっていると思う。
 古き良き怪物・怪獣映画へのオマージュという思いからなのか、BGMや美術にもレトロな雰囲気があって、そういう点でも懐かしい気分にさせてくれる。
 夏休みにお子さんと親子で観るにはとっておきの痛快作です。

作品データ - Film Data

  • 【キャスト(声の出演)】リース・ウィザースプーン/セス・ローゲン/ヒュー・ローリー/ウィル・アーネット/キーファー・サザーランド/レイン・ウィルソン/スティーヴン・コルベール/ポール・ラッド
  • 【日本語吹き替え版キャスト(声の出演)】ベッキー/日村勇紀(バナナマン)
  • 【監督/ストーリー/共同脚本】ロブ・レターマン
  • 【監督/ストーリー】コンラッド・ヴァーノン
  • 【プロデューサー】リサ・スチュワート
  • 【共同製作】ジル・ホッパー・デスマーチェリエ
  • 【共同製作】ラティファ・アワウ
  • 【脚本】マヤ・フォーブス&ウォーリー・ウォロダースキー
  • 【脚本】ジョナサン・エイベル&グレン・バーガー
  • 【プロダクション・デザイン】デヴッド・ジェームズ
  • 【美術監督】マイケル・アイザック
  • 【視覚効果スーパーバイザー】ケン・ビレンバーグ
  • 【デジタル・スーパーバイザー】マヘシュ・ラマスブラマニアン
  • 【ステレオスコピック・スーパーバイザー】フィル・キャプテン・3D・マクナリー
  • 【レイアウト責任者】デイモン・オベアン
  • 【キャラクター・アニメーション責任者】デヴィッド・バージェス
  • 【エフェクト責任者】ヤンシー・リンドクイスト
  • 【編集】ジョイス・アラスティア
  • 【編集】エリック・ダプケヴィッチ
  • 【音響編集スーパーバイザー】イーサン・ヴァン・ダー・リン
  • 【音楽】ヘンリー・ジャックマン
  • 【製作】PDI・ドリームワークス
  • 【提供】ドリームワークスSKG
  • 【配給】パラマウント ピクチャーズ ジャパン
  • 【原題】MONSTERS VS ALIENS
  • 【字幕翻訳】桜井裕子
  • 【吹替翻訳】岸田恵子
  • 【日本公開】2009年
  • 【製作年】2009年
  • 【製作国】アメリカ
  • 【上映時間】94分

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