« 【お知らせ】満足度の星(★)の採点を一部修正しました | メイン | 【映画評】カムイ外伝 »

2009年9 月19日 (土曜日)

【映画評】96時間 (2008)

救出可能な96時間というタイムリミットまでに誘拐された愛娘を助け出すため、パリでうごめく裏社会を舞台に孤軍奮闘する元工作員の破天荒な活躍を描いた、リュック・ベッソン製作・脚本のノンストップ・アクション映画。

【満足度:★★★】 (鑑賞日:2009/09/12)

 頭を空っぽにして楽しめる単純明快勧善懲悪の痛快娯楽アクション。
 それだけに、まったくの前情報なしで観たかった。

 長年アメリカ国家のために身を粉にして働いてきた元特殊工作員のブライアン・ミルズ(リーアム・ニーソン)。彼は仕事を優先するあまり、妻レノーア(ファムケ・ヤンセン)に離縁され、愛娘キム(マギー・グレイス)とも離ればなれとなり、今は一人わびしく隠居生活を送っている。
 レノーアは資産家のスチュアート(ザンダー・バークレイ)と再婚していたが、キムが親友アマンダ(ケイティ・キャシディ)とパリへの海外旅行を懇願したにあたって、実父ブライアンの同意が必要となった。最初は17歳になったばかりのキムが子供ふたりで海外旅行に行くことに反対するブライアンだったが、キムの悲嘆に暮れる姿と、レノーアの冷たい言葉もあって渋々OKを出す。
 しかし、ブライアンの悪い予感は的中。キムらの滞在するパリのアパートに賊が押し入り、アマンダを拉致。その様子を目の当たりにしたキムは電話越しにブライアンに助けを求めるが、手の届かぬ遥かアメリカにいるブライアンは沈着冷静に彼女に言う、「お前も捕まる」と。
 このときすでにブライアンの中では、誘拐犯との対決が始まっていた…。

 ということで、元工作員の父親が単身異国の地に乗り込み、その持てる能力のすべてを使って誘拐された愛娘を救出しようとするアクション映画。
 いい意味で、ホントにただそれだけの話。

 脇目もふらず悪党をなぎ倒していく親バカオヤジ、もとい、娘思いの心優しい熱血お父さんを演技派リーアム・ニーソンが好演。
 わがまま放題の末に人身売買組織に誘拐されちゃうミーハーなバカ娘、もとい、純粋で憎めない愛娘を演じたマギー・グレイスの熱演も印象に残る。

 もともと観たい映画の優先候補には入っていたんだが、なかなか機会が合わなくて公開後しばらく経ってからの鑑賞。
 その間に巷から漏れてくるいい評判を見るにつれ、ますます期待が高まっていった。が、それがいけなかった。

 目にした世間の評判を一言にまとめると、「アラもけっこうあるけど、突き抜けっぷりがハンパなく面白い」という印象だったのに、自分が実際に観て、抱いた感想は、「確かに平均以上に面白いんだけど、素直にスルーできないアラが気になる」という真逆なもの。
 「この映画は面白いんだ!」っていう期待最高潮で観ちゃったものだから、その高すぎるハードルには少々及ばず。

 いくらなんでもそりゃやり過ぎだろう、そんな偶然あるかいな、といったおおかたのアラはアクション主体の娯楽作なんだし大目に見られる。
 娘キムのバカ娘っぷりも、まあ、出来の悪い子ほどかわいいって言うし、ブライアンの親バカぶりの引き立て役だと思えば許せるかなと。
 けど、なんか観終わって、そうやって妥協している自分に気がついて、ちょっと冷めちゃった。
 あと、元妻レノーアの場当たり的な身勝手さに最後までいらつかされたのも、作品自体の不快指数まで上げてしまう結果となった。

 娘をただ助けたいという大義名分のもと、悪人相手にバッタバッタと死体の山を築きあげるブライアンのハチャメチャな活躍は痛快だし、元工作員らしく頭脳やチームプレーも駆使した闘い方にうならされることもしばしばあったのに、劇場を出ていまひとつ爽快になれなかった、ちと残念な1時間半でした。

予告編 - Trailer

作品データ - Film Data

  • 【キャスト】リーアム・ニーソン/ファムケ・ヤンセン/マギー・グレイス/リーランド・オーサー/ジョン・グライス/デヴィッド・ウォーショフスキー/ケイティ・キャシディ/ホリー・ヴァランス/ザンダー・バークレイ
  • 【監督】ピエール・モレル
  • 【製作】リュック・ベッソン
  • 【脚本】リュック・ベッソン/ロバート・マーク・ケイメン
  • 【プロダクション・ディレクター】フランク・ルブルトン
  • 【撮影監督】ミシェル・アブラモヴィッチ,A.F.C.
  • 【プロダクション・デザイナー】ユーグ・ティサンディエ
  • 【編集】フレデリック・トラヴァル
  • 【ライン・プロデューサー】ディディエ・オアロ
  • 【音楽】ナサニエル・メカリー
  • 【音響】マルタン・ボアソー/アレクサンドル・ヴィドメル/フランソワ=ヨセフ・オル
  • 【衣装】オリヴィエ・ベリオ
  • 【キャスティング】ナタリー・シェロン,A.R.D.A
  • 【製作】ヨーロッパコープ/M6フィルムス/グライヴ・プロダクション
  • 【配給】20世紀フォックス映画
  • 【原題】TAKEN
  • 【字幕翻訳】松浦美奈
  • 【日本公開】2009年
  • 【製作年】2008年
  • 【製作国】フランス
  • 【上映時間】93分

コメント (0)

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック (5)

この記事のトラックバックURL: ※承認制
http://www.typepad.com/services/trackback/6a0128762d7a9d970c0120a72a5806970b

この記事へのトラックバック一覧: 【映画評】96時間:

» 96時間/Taken(映画/DVD) (映画を感じて考える~大作、カルトムービー問わず映画批評)
[アクション映画] ブログ村キーワード96時間(原題:Taken)キャッチコピー:父の愛が、パリの街を暴走する。製作国:フランス製作年:2009年配給:20世紀フォックス映画ジャンル:アクシ...... [続きを読む]

» 96時間 (とにーのブログ)
このタイトルの映画から想像するストーリーは? ご想像の通り、96時間のタイムリミットがあります。 元CIA捜査官のブライアン(リーアム・... [続きを読む]

» 96時間(映画館) (ひるめし。)
父の愛が、パリの街を暴走する。 [続きを読む]

» 96時間 (5125年映画の旅)
工作員のブライアンは、妻との離婚の末に離れ離れになった娘・キムのために危険な仕事を辞め、孤独な隠居暮らしをしていた。ある時、キムは友人とパリへ旅行に出かけるが、二人はそこで謎の一団に拉致されてしまう。娘を救うため、ブライアンはかつての裏の仕事の能力を駆...... [続きを読む]

» 「96時間」 (prisoner's BLOG)
基本パターンは、ほとんどシュワルツェネッガーの「コマンドー」で、娘を救い出すためだったら父ちゃんはいくら死体の山を築いてもいいし、父ちゃんのまあ強いこと強いこと。見せ場はふんだんなので、およそ飽きさせない。 前半の情報員としての経験を生かして、異郷のパリで娘の足取りを追うさまざまな「手」はきめ細かい面白さがあるけれど、そのうちだんだん力任せの捜査になる。なんか、パリには悪者しかいないのか、という感じすらしてくる。 もともとパリは異邦人の多い場所ではあるだろうけれど、ばたばた殺される悪者の大半が白人... [続きを読む]

このページについて - About This Page

  •  『未完の映画評』は、映像業界で働く現役現場製作スタッフかみぃによる個人的な映画サイトです。
     “自戒としての映画批評”と銘打ち、映画館まで足を運んで観た劇場公開最新作の批評・感想・レビューをメインに、リアルタイムに進行する製作日誌、映画にとどまらない業界全般にまつわる雑談・裏話なども掲載しています。
     詳しくはこのサイトについてをご覧ください。

最近のコメント - Comments

2012年度 満足度評価 - Rating 2012

  • 2011年12月11日(日)~ 公開作品
  • ★★★★★ ≒ 溺愛
  • ★★★★☆ ≒ 秀逸
    | 最強のふたり | おおかみこどもの雨と雪 | アーティスト |
  • ★★★★ ≒ 満悦
    | 崖っぷちの男 | 捜査官X |
  • ★★★☆ ≒ 良好
    | 映画 ひみつのアッコちゃん | HOME 愛しの座敷わらし | バトルシップ | ドラゴン・タトゥーの女 |
  • ★★★ ≒ なかなか
    | トータル・リコール | 幸せへのキセキ | テルマエ・ロマエ | ももへの手紙 |
  • ★★☆ ≒ まあまあ
    | アベンジャーズ | ダークナイト ライジング | BRAVE HEARTS 海猿 | 臨場 劇場版 | 外事警察~その男に騙されるな | ブライズメイズ~史上最悪のウェディングプラン | ライアーゲーム-再生- | はやぶさ 遙かなる帰還 |
  • ★★ ≒ いまいち
    | エイトレンジャー | Another アナザー | ヘルタースケルター | ダーク・シャドウ |
  • ★☆ ≒ つまらん
    | Black&White/ブラック&ホワイト |
  • ★ ≒ ダメダメ
    | プロメテウス | 幸せの教室 |
  • ☆ ≒ ふざけんな
    |

最近のつぶやき - Twitter