« 【コラム】いざ阿佐ヶ谷 | メイン | 【コラム】続・『マイマイ新子と千年の魔法』 on 阿佐ヶ谷~なぜか今夜もマイマイ新子 »

2010年1 月18日 (月曜日)

【コラム】『マイマイ新子と千年の魔法』 on 阿佐ヶ谷~どうにも止まらない鑑賞11回目

 ついについに話題のラピュタ阿佐ヶ谷で『マイマイ新子と千年の魔法』を観てまいりました。

 狭いゆえだろうけど、場内の熱気が凄い。
 昨日mixiニュースで『マイマイ新子と千年の魔法』を取り上げたサイゾーの記事が紹介されたお陰で、一気に認知度も上がった模様。

 なにげに片渕須直監督も上映が始まる前のロビーにいらしてた。
 が、その時はあまりに普通に観客に混じってそこにいらしたので、ホントに監督なのか自信が無くて声を掛けられなかったですよ。
 マイマイ新子の缶バッチを付けられていたし、そうじゃないのかなぁと思いながらチラ見はしてたんだけど、後で監督のTwitterでやっぱりそうだったと知って、挨拶できなかったことをかなり悔いました。
 今日は舞台挨拶はなかったにもかかわらず、わざわざ顔を出されるなんて、御自身の作品とはいえその熱意に脱帽です。

 でもって上映ですが、これでかれこれ11回目の鑑賞。ひとつの作品を劇場で繰り返し観た自己新記録をさらに更新。

 これまで10回も観てるのに、まだ新たな発見があったよ。
 貴伊子が金魚の“ひづる”に食べさせようと残した給食を包んでるハンカチって、お母さんのハンカチなのな。さりげなくお母さんの棚に置いてあったわ。
 そんなところからも貴伊子が“ひづる”とお母さんを重ね合わせてたってことがわかる。

 実はもうひとつ、思わず声を上げそうになった発見があったんだけど、それは気付いた瞬間にカットが切り替わってしまって、はっきりと自信が持てなかったので、もう一回観て確認する。
 って、もう一回観なきゃいけないよ。
 上映終了までにもう一回休みがあるかどうかもわからないのに、さてどうしたものか。

 と、以降は唐突に自分語りモードに突入。

 ちなみにひとつの作品を劇場で何度も観た現在の第2位は、細田守監督の『時をかける少女』(2006年)で、8回だか9回だか観た。
 マイマイ新子のような危機的状況ではなかったけれど、このときも観られる上映館が限られていて、東京近郊の映画館を転々としながら繰り返し観たっけ。

 こう書くと私かみぃを知らない人はいわゆるアニメオタクに思われるだろうけど、実はそういうわけじゃなく、アニメ版『時をかける少女』がきっかけでアニメーション映画も分け隔てなく頻繁に観るようになったというのが真相。あくまで映画全体の中で特に気に入ったのです。
 それはこの『未完の映画評』の過去5年間の年間ベストテンでベストテン入りしたのべ50作品の中に、純粋なアニメーション映画は、昨年度1位の『マイマイ新子と千年の魔法』(片渕須直監督)、2007年度1位『河童のクゥと夏休み』(原恵一監督)、2006年度1位『時をかける少女』(細田守監督)の3本、一般の映画ファンからも高く評価されているこれらしかないことからもわかると思う。
 なお、ここで言う“純粋”、ではないアニメーション映画としては、人形アニメーションの『ティム・バートンのコープス ブライド』(2005年度10位)、アニメの世界が背景になっている『魔法にかけられて』(2008年度2位)があります。
 お気に入りアニメ3本がいずれも年間トップになっているのがある意味凄いけど、言いたいのはこの『マイマイ新子と千年の魔法』はアニメの枠にとどまらず凄いんですよ!ってこと。

 で、もうちょっとこの話題を引っ張るが、繰り返し観た映画第3位が19年前の大林宜彦監督『ふたり』(1991年)の7回。かみぃにとっての生涯ベスト1の映画です。
 この古い映画を持ち出したのにも一応個人的に理由があって、この『ふたり』にはまった当時に山口に住んでいたのです。
 新子のお父さんが所属している(と思われる)山口大学の理学部に当時在学(後に中退)しておりまして、住んでいた湯田温泉近くの山口市内から当時の小郡駅(現在の新山口駅)経由で防府駅を通過し、当時の徳山市(現在の周南市)にあった『ふたり』上映館(山口市内では上映しなかった)まで2週間限りの上映期間中に7回通ったという自分なりに熱い思い出。

 この『ふたり』は、かみぃの人生を変えてしまった映画(この映画を観て映像業界を目指す決意→大学中退→上京)なんですが、この映画の初見時、ファーストシーンが始まってすぐからエンディングまで終始泣けて仕方なかった。
 もしもこの『ふたり』を観ているならわかるかと思いますが、幼少期の主人公とお姉ちゃんの登校で始まるモノクロのファーストシーンは別に泣けるようなシーンじゃない。けど、わけもわからず泣けてしまったのです。ラストカットのお姉ちゃんの後ろ姿のストップモーションまで延々と。
 自分でも「波長が合った」としか説明のしようがないこんな経験は、後にも先にもこの映画だけ。それゆえの生涯ベスト1。
 もうこんな経験は二度と無いだろうと思っていました。『マイマイ新子と千年の魔法』に出逢うまでは。

 やっとマイマイ新子に話が戻りました(汗)。
 冒頭から泣いてしまったあのときの『ふたり』には及ばないものの、『マイマイ新子と千年の魔法』でも始まって間もない昔の周防の国の家々がニョキニョキと生えてきたシーンで、もはやウルウル来てた。そしてわけもわからず泣けてきて、後半には嗚咽をこらえるのに必死なほど涙が止まらなかった。
 そして10回以上も鑑賞して、ついに生涯ベスト1の『ふたり』をある意味で越えてしまった。その鑑賞回数だけではなく、そんな『ふたり』のときですら、最終上映の7回目には涙をこらえることができたのに、マイマイ新子は11回観てもまだ泣ける。
 “泣けるからイイ映画”と言うつもりはないけれど、『マイマイ新子と千年の魔法』は確実に自分の中の何かをつかんでしまった

 それを決めたときにまだ迷いがあったせいで、今はまだ生涯3位にとどめてるけど、自分にとって『マイマイ新子と千年の魔法』は、とっても大切な、宝物のような映画。

 実は自分と『マイマイ新子と千年の魔法』の舞台・防府との直接のつながりは、『ふたり』を観に通ったときに通過したってこととは別のところにあって、自分にとってもっと大切な因縁があるんだけれど、それを語り出すとますます脱線して収拾がつかなくなるので、今回はさわりだけ。
 山口を離れて上京する年に初詣に行ったのが防府天満宮。その時に降り立った駅は当然防府駅(『マイマイ新子と千年の魔法』で貴伊子が降り立った三田尻駅)なんだけど、その隣にあるのが富海(とのみ)駅。かみぃをよく知る人ならこの「とのみ」という名前は、それが地名に由来するものとは知らなくても心当たりがあるはず。

 今言えるのは、いずれ自分は再び防府の地を訪れる。訪れるかもじゃなく、間違いなく訪れる。それは単なる映画のご当地巡礼ってだけじゃないから。
 それが実現したとき『マイマイ新子と千年の魔法』は、人生を変えた『ふたり』に次ぐ、自分の人生に深く関わった生涯第2の映画になっていることでしょう。

 自分以外の人にはどうでもいいようなことばかり書いてすみません。
 ただ言えるのは、個人的な因縁含め、とにかくいろんな思いがとめどなく湧き上がってくる映画なんです。
 これこそがこの映画の持つ「千年の魔法」。と、いつも通りのオチになるわけですが、そう言わざるにはおれないわけですよ。

関連 - Relation

コメント (0)

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック (0)

この記事のトラックバックURL: ※承認制
http://www.typepad.com/services/trackback/6a0128762d7a9d970c0120a7e494cc970b

この記事へのトラックバック一覧: 【コラム】『マイマイ新子と千年の魔法』 on 阿佐ヶ谷~どうにも止まらない鑑賞11回目:

このページについて - About This Page

  •  『未完の映画評』は、映像業界で働く現役現場製作スタッフかみぃによる個人的な映画サイトです。
     “自戒としての映画批評”と銘打ち、映画館まで足を運んで観た劇場公開最新作の批評・感想・レビューをメインに、リアルタイムに進行する製作日誌、映画にとどまらない業界全般にまつわる雑談・裏話なども掲載しています。
     詳しくはこのサイトについてをご覧ください。

最近のコメント - Comments

2012年度 満足度評価 - Rating 2012

  • 2011年12月11日(日)~ 公開作品
  • ★★★★★ ≒ 溺愛
  • ★★★★☆ ≒ 秀逸
    | 最強のふたり | おおかみこどもの雨と雪 | アーティスト |
  • ★★★★ ≒ 満悦
    | 崖っぷちの男 | 捜査官X |
  • ★★★☆ ≒ 良好
    | 映画 ひみつのアッコちゃん | HOME 愛しの座敷わらし | バトルシップ | ドラゴン・タトゥーの女 |
  • ★★★ ≒ なかなか
    | トータル・リコール | 幸せへのキセキ | テルマエ・ロマエ | ももへの手紙 |
  • ★★☆ ≒ まあまあ
    | アベンジャーズ | ダークナイト ライジング | BRAVE HEARTS 海猿 | 臨場 劇場版 | 外事警察~その男に騙されるな | ブライズメイズ~史上最悪のウェディングプラン | ライアーゲーム-再生- | はやぶさ 遙かなる帰還 |
  • ★★ ≒ いまいち
    | エイトレンジャー | Another アナザー | ヘルタースケルター | ダーク・シャドウ |
  • ★☆ ≒ つまらん
    | Black&White/ブラック&ホワイト |
  • ★ ≒ ダメダメ
    | プロメテウス | 幸せの教室 |
  • ☆ ≒ ふざけんな
    |

最近のつぶやき - Twitter