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2010年1 月25日 (月曜日)

【コラム】『マイマイ新子と千年の魔法』マイマイから広がる波紋、抱かせる予感

 一昨日のラピュタ阿佐ヶ谷『マイマイ新子と千年の魔法』エクストラアンコール上映決定のニュースに続いて、3月には北海道と九州でも上映されるようだ。
 これはいよいよ、ざわざわ来てますよ、ざわざわざわーっと。

 と、そんなグッド・ニュースに浮き足立ってはしゃいでしまい、こないだひとつ大事なことを書き忘れた。
 片渕監督のメイキング・ブログ『メイキング・オブ・マイマイ新子』で、当サイトの『マイマイ新子と千年の魔法』報道スクラップブックご紹介くださったの
 励みになります。ありがとうございます。>片渕監督

 なんだけど、「2009年1月以来のネットで読める記事が網羅されています。」との過分なお言葉。
 いやいや、網羅できてないし。こりゃ困った。
 監督にそう言われちゃったら手が抜けない。ということで、もうちょっと頑張って、新たに50件程の記事を追加しました。(昨晩はそれで力尽き、この記事を書きかけて気を失うように寝てしまった)

 当初はとりあえず70件程の記事を見つけてたんだけど、その中になかった「イカが好き」「ゲソが好き」の記事を新たに発見
 サンケイ・スポーツの紙面では手元が切れているような写真の福田麻由子&水沢奈子のおふたり、ネット版ではしっかり手を繋いどるではないか。かわえぇのぉ。

 一番古い記事も2009年1月から2008年3月まで一気に一年近くさかのぼった
 この記事ではタイトルが「マイマイ新子と千年の魔法(まる)」になっております。これはタイトルロゴの「法」の字が、マイマイ(つむじ)のようにくるりんとなっているのを「。」と勘違いされたためなんですと。(ソース:片渕須直 (katabuchi_sunao) on Twitter
 逆に現時点で最新の記事は、当然エクストラアンコール上映決定のニュース。

 勢いで“当然”なんて書いたけど、こんな起死回生が起ころうとは、一般公開間もない昨年12月初めごろに誰が予想しただろうか。当時の興行的爆死を考えると感慨深い。
 この期に及んでの各地の追加上映とか、確実に口コミの評判が波紋を広げていることを実感させて、応援している自分たちとしては心強い流れ。

 ということで、ちょっと“波紋”の話。

 『マイマイ新子と千年の魔法』の中で、新子のマイマイが「ざわざわざわー」っとすると、映像的にはさらにそれに、水面を広がる波紋のイメージがオーバーラップされる。劇中の要所要所で描写されているので気付かれた方も多かろう。
 これは最初に提示される新子の空想“緑のコジロー”が走り抜けるイメージともダブり、新子の空想力やそこに込められた思いが徐々に広がっていく様、周囲に影響を与えていく様に転化されているように感じる。

 映画の最初の方、諾子(なぎこ)が周防の国に降り立った千年前の世界から、劇中で初めて新子と貴伊子が顔を合わせる日、台所でお母さんが朝食を用意する場面への切り替わりに、意味深な“黒み”(真っ黒な画面)が挟み込まれている。
 その後、うちを出た新子は緑のコジローとかけっこをしながら、松崎小学校脇の迫戸川沿いを校門へ走ってくる。
 学校で貴伊子とシゲルの一悶着があったあと、貴伊子を見つめる新子のマイマイが「ざわざわ」したと同時に、再び黒み。けど、今度はほのかに明るく、そこに「♪トゥルルー」と波紋が広がる。

 これは新子が貴伊子に興味を持ったというイメージの映像化なんだろうけど、面白いのはその次のシーンで、新子があとをつける貴伊子のそばの迫戸川、貴伊子のちょうど足もとの水面に、朝には無かった波紋が広がってるのよ。
 これって新子と貴伊子はすでに共鳴し合っていたってことなのか、あるいは共鳴し合う運命を暗示しているのか。
 ひょっとしたら、単に脇の小さな排水溝から生活用水が流れ出ているとかのリアルな描写なのかもしれないけれど、このタイミングのこの位置ってのは、やっぱりその後の運命を予感させるものと思いたい。

 この映画の延長に次ぐ延長のアンコール上映、地方での追加上映も、緑のコジローが走り抜けるときの波紋のように感じる。これがいつかは、ざぶーん、ざぶーんと大きな波になると思いたい。
 エクストラアンコール上映のニュースは、そんな期待を抱かずにはおれない、ほのかな灯火を感じる良い知らせなのでした。

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コメント (2)

あの波紋のイメージは、私もずっと気になっていました。
「共鳴し合う運命を暗示」、そうかもしれませんね。もう1回観なくては。
ひづるそっくりの金魚を見た、とシゲルに聞いた後、水中からのカットでも確か2つ、広がりますね。

◆silver_copperさん
新子が貴伊子に国衙の街の千年の秘密を教えて走っているとき、緑のコジローとの併走でも水中からの“波紋”カットがありますね。(ここでの「負けんよ」は大好きなセリフのひとつ)
つまり水中視点の広がる波紋はインスピレーションの映像化であると同時に、新子の空想力=“気”のようなものを表しているんでしょう。
こう言葉にすると安っぽくなってしまうんですが、裏を返せばそれだけ映像の持っているパワーを感じる描写とも思います。
そんな“波紋”映像の極めつけが、“復活したひづる”を新子と貴伊子が並んでのぞき込むショット。ここでもひづるによって波紋が広がります。
(これまた言葉にするの味気ないんですが)ひづるによって起こされるためこれまでとニュアンスが違うように感じる波紋ですが、空想のエネルギーを反映していた波紋の主がついに実体化=千年の魔法の描写なんじゃないかと思うんですよね。

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