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2010年3 月15日 (月曜日)

【映画評】ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ (2010)

プレイヤーたちの騙し合いが見物の、戸田恵梨香、松田翔太主演人気テレビシリーズ『ライアーゲーム』完結編の劇場版。

【満足度:★】 (鑑賞日:2010/03/10)

 セカンド・シーズンまで放映されたフジテレビの人気テレビドラマ『ライアーゲーム』の映画化。タイトル通り本作でファイナルとなる。
 完全にドラマファン向けの完結編でした。

 プレイヤーたちが大金を賭けて騙し合う「ライアーゲーム」。
 ファイナルステージへの進出を辞退して普段の生活に戻っていた“バカ正直のナオ”こと神崎直(戸田恵梨香)だったが、ライアーゲーム事務局の谷村光男(渡辺いっけい)からあらためてファイナルステージへ招待される。
 このままでは直がファイナルステージを託した天才詐欺師・秋山深一(松田翔太)が負けてしまうという谷村の言葉に心動かされ、直は参加を決意、ファイナルステージが行われる孤島へと向かう。
 そこで待っていたのは、参加者みんなが信じ合えば全員が勝てるという「エデンの園ゲーム」だったが…。

 ドラマ版の『ライアーゲーム』は、ファースト・シーズンをちょっとだけ観たことがあったが、この映画版の前日譚となるセカンド・シーズンは未見。
 この映画版も最近注目の戸田恵梨香主演作という理由だけで観たわけでして、まあ早い話、「ライアーゲーム」自体にそんなに思い入れがあるわけじゃない。

 映画は導入部からアップテンポで、手際よく「エデンの園ゲーム」になだれ込む。
 「こいつらなんでこんなことやってんの?」というところを妥協すれば、純粋に騙し合いゲームを楽しむ映画として一見さんでもついて行けるだろう。

 しかしそのゲーム自体の演出が、見た目こそ派手に仕立てられているが、いまひとつ盛り上がらない。
 心理戦というより理屈をこねるタイプの騙し合いなのだが、その前提のわりにはルールの枠を越えた裏技を駆使しまくるので、してやられた感より、「そんなのありかよ」っていう置いてけぼり感の方が先に立つ。
 演出的に、「観客を欺く」というより「観客に知らせない」ことで騙した気になっているのが、ことをつまらなくしている原因と思うのですよ。

 また、これを言ってしまうと作品としての『ライアーゲーム』の根本を否定することなってしまうのだが、ことあるごとにプレイヤーたちが敵味方と手のひらを返すのも、ちょっと薄っぺらく感じる。
 ひと癖もふた癖もあるプレイヤーたちを演じる役者陣の演技が大げさなのも、あえてそういう演出をしているのだと理解しつつも、総じて「台本のあるクイズ・バラエティ番組」を観ているような錯覚に陥るのだ。

 おそらくこれらのことは、ドラマ版のファンならば、「だってそれが『ライアーゲーム』じゃん」ってことで問題にはならないだろう。
 つまりはいい意味でドラマファン向けの映画だってこと。
 その点を理解して観れば、予定調和だが後味の良いエンディングもあって、ドラマの完結編としては相応に愉しめると思う。

 ただ付け加えると、戸田恵梨香目当てで観た自分としては、ほぼワン・シチュエーションの内容ゆえ、恵梨香ちゃんの衣裳がほとんど替わらなかったのが多いに不満。
 もともと無茶苦茶な理由でゲームに巻き込んだんだから、一回戦ごとに服を着替えるのが必須という意味不明なファンサービス・ルールを加えても罰は当たるまい。
 さらに着替えシーンがあれば、ナオ良し。

作品データ - Film Data

  • 【キャスト】戸田恵梨香/松田翔太/田辺誠一/鈴木浩介/荒川良々/濱田マリ/和田聰宏/関めぐみ/秋本祐希/永山絢斗/鈴木一真/松村雄基/吉瀬美智子/渡辺いっけい
  • 【監督】松山博昭
  • 【製作】亀山千広/鳥嶋和彦/島谷能成
  • 【製作統括】石原隆/和田行
  • 【プロデューサー】宮川朋之/瀬田裕幸/古都真也
  • 【アソシエイトプロデューサー】志牟田徹/東康之
  • 【原作】「LIAR GAME」甲斐谷忍
  • 【脚本】黒岩勉 / 岡田道尚
  • 【音楽】中田ヤスタカ
  • 【撮影】宮田伸
  • 【照明】森泉英男
  • 【録音】武進
  • 【美術】関口保幸
  • 【デザイン】坪田幸之
  • 【美術進行】平川泰光
  • 【編集】平川正治
  • 【CG】笹生宗慶
  • 【選曲】泉清二
  • 【監督補】長瀬国博
  • 【制作担当】白石治
  • 【主題歌】「Stay with You」capsule
  • 【挿入歌】「Love or Lies」capsule
  • 【製作】フジテレビジョン/集英社/東宝/FNS27社
  • 【配給】東宝
  • 【日本公開】2010年
  • 【製作年】2010年
  • 【製作国】日本
  • 【上映時間】133分

コメント (2)

おっしゃる通り完全にファン向け作品です。私は全部観ておりファンなんでとても楽しめましたが、それでも観ていて「こりゃ解んないだろ?」ってな部分がいくつかあったり。そういう意味では不親切かなとは思います。
ただドラマファンとしては、今回はX探しがメインになってしまったことが残念です。通常であればはっきりと相手がわかった敵との頭脳戦や心理戦が展開されるのですが。早々にXの正体などばらして、そこから通常のパターンに持ち込んだほうが良かったかと思います。

P.S
『マイマイ新子と千年の魔法』を観てきましたよ。他愛もないシーンに胸が締め付けられて涙していました。記事を書くにあたっては何とかもう一度観てからにしたいと思ったりしています。感じたこと思ったことをもう一度確認してみたいので。ただシネマ・アンジェリカは17:20なんですよね。2時間遅くしてくれればいつでも行けるのに…。

◆KLYさん
コメントありがとうございます。
こういうファン向けで、そう限定すれば悪くないと思える作品だと批評しづらいんですよね。
もう少し一見さんにも優しくしてくれると誉めやすかったんですが。
X探しがメインというのも、「ライアーゲーム」に詳しくない自分でも、キャスティングからこの人しかいないだろうって察しが付いてしまいましたからねぇ(^^;、そこを引っ張ってもしょうがなかったような。
さっさとXが誰かをばらして、そこから本格的な頭脳戦にして欲しかったというのは同感です。

マイマイ新子観てくださいましたか!
世間的にはあまり注目されなかった『女の子ものがたり』も高評価でらしたので、きっとこちらも気に入られると思ったんです。
ちょっと先になりますが、27日から一週間、シネマ・アンジェリカで19:30の回もありますよ。
どういうレビューされるか楽しみにしています!

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