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2010年5 月22日 (土曜日)

【映画評】のだめカンタービレ 最終楽章 後編 (2010)

テレビドラマから続いたのだめと千秋の恋の行方が、ついにグランドフィナーレ。

【満足度:★★】 (鑑賞日:2010/05/08)

 人気テレビドラマ『のだめカンタービレ』の映画化、前編から続く後編。
 のだめと千秋の恋の行方もついに完結へ。
 前編の武内英樹監督は総監督となり、演出は前作で監督補だった川村泰祐が映画初監督。

 のだめ(上野樹里)と距離を置くことを決め、アパートを出る千秋(玉木宏)。
 突然のことにショックを隠しきれないのだめだったが、「ひとり静かな環境で音楽に没頭したい」という千秋の願いに己を納得させる。
 そんな折、のだめの元にカントナ国際コンクールに出場する清良(水川あさみ)を応援するために、日本から峯(瑛太)と真澄(小出恵介)の二人が転がり込んできて…。

 例によってドラマ版『のだめカンタービレ』を未見の筆者には、前作以上にコメントしづらい後編でした。
 良くも悪くもハチャメチャだった前編と違い、後編はギャグシーン控えめの正攻法ドラマで、シリアス路線。のだめと千秋の互いを想うすれ違いが延々と描かれる。

 千秋の想いはナレーションで説明されるため、予備知識なく観てもわかりやすい。が、と同時にこれは、こいつ何考えてるんだっていう作劇上のサスペンスなところまで思考停止に陥らされる諸刃の剣。
 でもま、そんなことは『のだめ』ファンなら重々承知の、このドラマでのフォーマットなんだろうから、突っ込むだけ野暮ってもんだ。

 その分、(無知な)観客としてはベーベちゃんこと、のだめの方に興味が湧くのだが、こちらもなんだか悶々としているばかりで、彼女の置かれた立場同様、鑑賞上の突破口が見えてこない。
 平たく言えば、ドラマチックなメリハリに欠いて退屈。

 そういった停滞感を発散してくれるのが時折挟まれる素晴らしいクラッシック音楽。
 こういう展開でこそ、映画館をクラシックホールへという、『のだめ』映画化の大義名分ともいえる、本来の目的に立ち返る。
 そう考えれば、いいあんばいのグランドフィナーレと言えよう。

 グランドフィナーレと言えば、テレビドラマから続いた『のだめカンタービレ』の完結編らしく、ドラマでの名シーンと思わしき回想シーンがいくつも挿入されていた。
 これはドラマ版から見守り続けてきたファンにとって感慨深いものだろう。
 この点に於いても、いたって正攻法な締めくくりとなっている後編だ。

 筆者にはドラマ版からのファンにとってこの映画がどの程度満足いくファンサービスになっているかは計りかねるが、奇をてらわず、普通に期待する通りの終幕から、「とうとう終わった」という安堵感は伝わってきた。

作品データ - Film Data

  • 【キャスト】上野樹里/玉木宏/瑛太/水川あさみ/小出恵介/ウエンツ瑛士/ベッキー/山田優/なだぎ武/猫背椿/マスエル・ドンセル/マイク・ジーバク/Eglantine Rembauvile/三浦涼介/西村雅彦/豊原功補/遠藤雄弥/宮崎美子/岩松了/福士誠治/吉瀬美智子/伊武雅刀/竹中直人
  • 【声の出演】蒼井優
  • 【監督】川村泰祐
  • 【総監督】武内英樹
  • 【製作】亀山千広
  • 【エグゼクティブプロデューサー】石原隆/和田行/吉羽治/畠中達郎/島谷能成
  • 【プロデュース】若松央樹
  • 【プロデューサー】前田久閑/和田倉和利
  • 【ラインプロデューサー】森徹
  • 【原作】二ノ宮知子「のだめカンタービレ」
  • 【脚本】衛藤凛
  • 【撮影】山本英夫(J.S.C.)
  • 【照明】小野晃
  • 【録音】柿澤潔/北村峰晴
  • 【美術デザイン】棈木陽次
  • 【編集】松尾浩
  • 【スクリプター】渡辺美恵
  • 【VFXプロデューサー】大屋哲男
  • 【ミュージックエディター】小西善行
  • 【サウンドエディター/フォーリーアーティスト】伊東晃
  • 【クラシック音楽監修】茂木大輔
  • 【指揮監修】飯森範親
  • 【ピアノ監修】安宅薫
  • 【美術プロデュース】柴田慎一郎
  • 【美術進行】森田誠之
  • 【スタイリスト】西ゆり子
  • 【VFXスーパーバイザー】田中貴志
  • 【助監督】日垣一博/関野宗紀
  • 【アシスタントプロデューサー】上原寿一
  • 【プロデュース補】川原井史子
  • 【海外担当】梶川信幸
  • 【製作担当】嘉藤博
  • 【製作】フジテレビ/講談社/アミューズ/東宝/FNS27社
  • 【制作プロダクション】シネバザール
  • 【配給】東宝
  • 【日本公開】2010年
  • 【製作年】2010年
  • 【製作国】日本
  • 【上映時間】123分

コメント (2)

おっしゃる通り前編同様にドラマファンの為の映画でした。回想シーンや峰や清良や真澄ちゃんの顔ぶれなんかファンにはたまりませんもの。ラストは原作と違った終わり方でしたが(原作はのだめが古城で開催するソロピアノコンを千秋が見に来る場面で終わり)・やっと2人が寄り添い音楽と共にやっていく未来が垣間見えてよし・ラストの橋の上でのだめが千秋先輩に[負けません]って言う台詞も良かったです。

◆kiyoさん
ドラマ版未見の自分としては、“残念ながら”ドラマファン向け映画、ということになってしまいますが、ドラマから観続けたファンにとっては感慨もひとしおでしょうね。
とりあえず、スタッフ&キャストの皆さんに、ご苦労様でしたと言いたいです。

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