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2010年7 月25日 (日曜日)

【コラム】『マイマイ新子と千年の魔法』あの日見たエンド・マーク~望郷の広島サロンシネマ

 去る23日に『マイマイ新子と千年の魔法』のDVDが発売されました。が、自分はまだ入手できてない。予約はしてあるんだけど取りに行けてないのね。うぅ。今日受け取りに行くさ。

 と、世間じゃDVD発売の話題で持ちきりですが、DVDの件はとりあえず置いておいてですね、『狂人ブログ ~旅立ち~』さんとこに、DVDが発売されたにもかかわらず現在『マイマイ新子と千年の魔法』を上映中の広島サロンシネマでの鑑賞報告「サロンシネマにて、7度目の鑑賞」が上がっています。
 こちらを見て思わずペンを取った、いやキーボードを取った(?)次第でして。広島出身の自分にはこれが懐かしくって。

 20年以上前、自分が高校生だったある年のクリスマス・イブ、楽しいミュージカル映画の『ホワイト・クリスマス』(1954年、監督:マイケル・カーティス)と泣ける難病映画『クリスマス・ツリー』(1969年、監督:テレンス・ヤング)の二本立てリバイバル上映をこのサロンシネマで観たんです。
 当時サロンシネマは、館内に二つある劇場のうちひとつがポルノ上映館で、当然のごとく映画館の表にはその手のポスターがいっぱい。当時高校生の自分にはすごく入りづらかったんですよ。
 『狂人ブログ』さんの写真を見ると、当時と雰囲気がほとんど変わらない。ムフフなポスターはなくなってるけど、夜うっかり入るとぼったくりに遭いそうな雰囲気とかそのまんま(笑)。場所も市の中心街から離れたへんぴな所に建ってますしねぇ。
 ひどいこと書いてますけど、外観はともかく、中は素晴らしい映画館でしたよ。今のシネコンで言うところのプレミアスクリーン並の立派なシートで、これまでいろんな映画館で観てきて、あんなシート、ローカルな映画館ではここでしか座ったことない。
 なお、今『マイマイ新子と千年の魔法』を上映中の方のサロンシネマ2の「日本初の全席リクライニングシート」は違うタイプです。シートの種類が変わっていなければ、たぶん僕が座ったのはサロンシネマ1の「テーブル付きのゆったりシートは日本1の広さ」の方だったんだと思う。

 サロンシネマと言えば、当時の館長が出演されていたRCCラジオ(中国放送)の映画番組も毎週のように聴いていました。
 日曜の夕方だったかなぁ。リアルタイムに聴けない日は、ラジカセにアナログのキッチンタイマー組み合わせて無理矢理予約録音してまで聴いてたっけ。
 で、その番組の最後に毎週招待券プレゼントやっていて、競争率が低いのか、応募するたびにほとんど当たってたんですよ。
 レンタルビデオなんてない時代、お小遣いの少ない高校生にはこれが凄く助かりましてねぇ。作品に興味あろうがなかろうがとにかく応募して観てた気がする。思えば映画の内容にこだわらず手当たり次第に観るようになったのは、これがきっかけだったですわ。

 ところで、当サイトのタイトル『未完の映画評』は「映画は観られてこそ完結する」という意味合いで名付けたんですけど、実はこれもサロンシネマさんが発行されている「End Mark(エンドマーク)」という小冊子の影響を受けています。
 冊子のサブタイトルに「映画はエンド・マークで終り、映画ファンはエンド・マークから生まれる」と書かれていまして、この言葉にえらく感動しましてね、ずーっと忘れられず、うちの「傑作も駄作も、映画は鑑賞されてこそ完結する」につながってるんです。

 そんな思い出深いサロンシネマでの『マイマイ新子と千年の魔法』は、一週間限定の7月30日金曜日まで毎日10:40から(※2010/07/28追記:7月30日(金)に21:00からのレイトショーも追加されました。しかも上映後には片渕須直監督の舞台挨拶があります!)。料金はなんと破格の一般800円、中学生以下500円
 DVDは発売されましたけど、お近くの方はこの機会にぜひスクリーンで観て欲しいと思います。

 と同時に、せっかく近くにお住まいなら一度広島サロンシネマに足を運んでいただきたい。たぶん立地の悪さもあって広島在住の映画好きでも、サロンシネマには行ったことない人も少なくないんじゃないかと思うのよね。
 正直なところ自分も先に挙げた『ホワイト・クリスマス』&『クリスマス・ツリー』ぐらいしか観た記憶がないんだけども、よもや四半世紀経って以前と変わらず続いてらっしゃるとは思っていなかったです。
 しかもそれを思い出させてくれたのが千年の思いをつなげる『マイマイ新子と千年の魔法』だというのも感慨深い。
 現在はポルノはやっていないみたいで、リバイバル上映のほか、単館系のマイナー映画とかやってらっしゃるみたいです。建物は老朽化しているみたいだけど、僕の頃よりは全然入りやすいでしょ(笑)。

 「映画はエンド・マークで終り、映画ファンはエンド・マークから生まれる」とのメッセージが今も生き続けている広島サロンシネマに伝えたい。
 四半世紀前にその一文を目にした映画少年は、遠く離れた地で、今もその思いを胸に映画を観続けていますよ。
 わざわざカップルでいっぱいのクリスマス・イブに独り寂しくクリスマス映画を観た当時となんら変わっておりません。

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コメント (4)

 いつもお世話になっております。
 この度は、TBありがとうございました。まさか、そんなに思い入れのある映画館とはつゆ知らず、ボロいとか場末感溢れるとか書いて申しわけございません。

 いやしかし、市街地からちょっと離れた所にあって、駐車場とか交通の便もよくなくて、なかなか足繁く、とは行かないんですよねぇ。同じ建屋内の店も、随分前にほとんど撤去しちゃって(まだ1、2軒やってるかな?)夜中に行ったらリアル・バー・カリフォルニアみたいな雰囲気を醸し出してますし(笑)。
 でも山口・広島近郊でここでしかやらない映画も多くて、シネコンにはない風情のあるいい映画館なんですよねぇ。スクリーンに緞帳ついてるの、ここぐらいしか知りません。
 また今度「キャタピター」か「ローラーガールズ・ダイアリー」でも観に行こうかと思ってます。

 広島にご帰郷の際は、ぜひご連絡を。うちも「マイマイ新子」上映館リストを勝手に貼らせていただいてるお礼とお詫びに、お好み村で一杯おごらせてください。

◆100SHIKIさん
まさに場末の映画館ですからね。
『狂人ブログ』の写真を見なかったら、ここまでいろいろ思い出さなかったでしょうから、嬉しかったですよ。
実は帰郷としてはほとんど帰ってないんです。でもま、そのうちまたそっちの方に行くこともあるかと思います。
マイマイ探検隊もまたあるようですし。
その機会にはぜひご一緒に。

広島には就職したばかりの頃に2年ちょっといたんですが、
この映画館は知りませんでした。
ホームページの劇場のスペックに、サロンシネマ2のシートは
ユーノス800のシートをアレンジした、と書いてあって、とても
懐かしくなりました。
確か、開発コードが「J76E」。
シートではありませんが、設計にちょろんと関わったもので。
映画の話でなくてすみません(^^;

◆silver_copperさん
サロンシネマは今はどうか知りませんが、僕が住んでた当時、知る人ぞ知る名画座的な映画館だったと思います。
その頃からシートにはこだわってたようです。
当時を知る自分としては、今なお健在で、姉妹館も増えてるのは嬉しいですね。いつかまた行ってみたいですわ。

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