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2010年8 月21日 (土曜日)

【映画評】エアベンダー (2010)

四つのエレメントを操るベンダーたちの闘いを、M・ナイト・シャマラン監督がVFX満載で描くファンタジー・アドベンチャー巨編。

【満足度:★★★】 (鑑賞日:2010/08/18)

 子どもの頃にテレビで観た忍術アクションもののようで、案外ワクワク。

 昔々、世界が「気」「水」「土」「火」の四つのエレメントに属すそれぞれの国に分かれていた時代。
 それぞれの国にはエレメントを操ることのできる“ベンダー”と呼ばれる特殊能力者たちがいた。その中で特に、四つのエレメントすべてを操ることのできる選ればれし者は“アバター”と呼ばれ、世界の秩序を保つための絶対的な存在だった。しかしあろうことか、ある時のアバターが修行から逃げ出してしまう。
 それから百年、世界は戦乱の時代を迎え、混沌としていた。アバター不在の世界で、火の国が他の国を侵略し始めたのだ。
 南の水の国のウォーターベンダーである少女・カタラ(ニコラ・ペルツ)とその兄・サカ(ジャクソン・ラスボーン)は、氷の下から謎めいた少年・アン(ノア・リンガー)を発見する。彼は火の国に滅ぼされた気の国のエアベンダーだった。そして彼こそが、百年前に修行から逃げ出した将来のアバターだったのだ…。

 『シックス・センス』(1999年)や『ハプニング』(2008年)で知られるヒットメーカー、M・ナイト・シャマラン監督が、アメリカのケーブルテレビで話題を呼んだ子ども向けアニメ番組『アバター 伝説の少年アン』(2005年~2008年)を、最新VFXをふんだんに使ってド派手に実写映画化。

 3D版もあるようですが、2D版を日本語字幕で鑑賞。

 なかなか観る機会をつかめないうちに、世間の評判はいまいちっぽかったんですが、案外ツボにはまって楽しめた。
 確かに展開は急ぎ足だし、目に余るご都合主義もありはするので、そういう意味では評価がいまいちなのも納得なんですが、子ども向けアニメの映画化だと思えば、よくぞここまで豪快にやってくれたという感じで痛快ですらある。

 インド系のM・ナイト・シャマラン監督の色が出たオリエンタル・チックな雰囲気が性に合うのか、個人的には『ハリー・ポッター』シリーズより好きだわ。
 その辺は半端にアメリカン・ハイスクール化された『ドラゴンボール エボリューション』(2009年、監督:ジェームズ・ウォン)とも比べものにならない。役者陣が英語で話すのを不思議に感じたくらいだもの。

 見るからにハリウッド大作なのにアジアンテイスト満載の摩訶不思議なファンタジー世界が面白いと同時に、なんだか懐かしさも感じた。
 この不思議な感覚はなんなんだろうと考えたら、子どもの頃に観た、不思議な忍術を使う忍者アクションものとダブらせて観てたのね。アンがでっかい扇子を使って空に飛び立つ様も、仮面の忍者・赤影や、忍者ハットリくんが空を飛ぶ姿を彷彿とさせる。

 お話としては、アバターとして未熟なアンが様々な苦悩や火の国の妨害を乗り越えて、アバターとして一人前になっていくという展開のようだけど、この作品単体では完結しない。一応三部作が予定されているらしい。
 敵役となる火の国の面々の関係がちょっと複雑で、これも予断を許さない。正直この火の国の方をもうちょっとしっかり描いてくれないと、話がわかりづらかったなという気はした。

 でも、続編へ続くラストカット、「お話の途中だけど、今回はここで終わるな」っていう予感通り、きっちり幕切れ。こういうところも自分とこの映画の相性がいい証拠。
 続編も楽しみで、早く観たい。頼みますよ、シャマラン監督。
 自分は気に入ったのに続編が頓挫した『ライラの冒険 黄金の羅針盤』(2007年、監督:クリス・ワイツ)みたいにはならないでね。

作品データ - Film Data

  • 【キャスト】ノア・リンガー/デヴ・パテル/ニコラ・ペルツ/ジャクソン・ラスボーン/ショーン・トーブ/アーシフ・マンドヴィ/クリフ・カーティス
  • 【監督/脚本/製作】M・ナイト・シャマラン
  • 【製作】サム・マーサー/フランク・マーシャル
  • 【製作総指揮】キャスリーン・ケネディ/スコット・アヴァーサノ/マイケル・ダンテ・ディマーティノ/ブライアン・コニーツコ
  • 【撮影監督】アンドリュー・レスニー,ACS,ASC
  • 【美術】フィリップ・メシーナ
  • 【編集】コンラッド・バフ,A.C.E.
  • 【衣装】ジュディアナ・マコフスキー
  • 【共同製作】ホセ・L.ロドリゲス
  • 【音楽】ジェームズ・ニュートン・ハワード
  • 【配給】パラマウント ピクチャーズ ジャパン
  • 【原題】THE LAST AIRBENDER
  • 【字幕翻訳】岸田恵子
  • 【日本公開】2010年
  • 【製作年】2010年
  • 【製作国】アメリカ
  • 【上映時間】103分

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