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2011年7 月19日 (火曜日)

【映画評】アンダルシア 女神の報復 (2011)

外交官・黒田康作が邦人殺人事件の裏に隠された国際犯罪の巨悪を暴く。

【満足度:★★★】 (鑑賞日:2011/07/14)

 前作『アマルフィ 女神の報酬』(2009年)から2年、織田裕二扮する外交官・黒田康作がスペインを舞台にマネーロンダリングに絡んだ殺人事件の謎に挑む、外交官・黒田康作シリーズ第二弾。
 前作も世間の酷評ほど嫌いじゃない筆者なんで、本作もそれなりに期待して鑑賞。
 ヨーロッパの美しい景色を堪能しつつ、ちょいと頭をひねるサスペンスとして腹八分目、前作以上に愉しめた。

 スペインとフランスの国境に位置する小国アンドラで日本人投資家・川島直樹(谷原章介)が遺体が発見された。
 サミットの準備でパリを訪れていた外交官・黒田康作(織田裕二)が調査のために現地に派遣される。
 事件の担当者・インターポール捜査官の神足誠(伊藤英明)は遺体の第一発見者・ビクトル銀行行員・新藤結花(黒木メイサ)の証言により物盗りの犯行と結論を急ぐが、結花と神足はそれぞれに秘密を抱えていた…。

 テレビシリーズ化もされ人気も上々の本シリーズ、前作『アマルフィ 女神の報酬』に引き続き西谷弘が監督を受け持つ。
 『SPACE BATTLESHIP ヤマト』の黒木メイサ、『海猿』シリーズの伊藤英明のふたりが黒田を翻弄する重要な役どころで花を添える。

 一応大規模な国際犯罪が背景にあるのだが、映画自体は黒田を翻弄する結花と神足の駆け引きを中心とした心理戦的展開で、実のところ犯人捜しを意識させる内容でもない。
 外交官とはこういうお仕事という紹介にあまり時間を割いていなかったり、外国人キャストがそれなりに活躍してたり、突拍子もない国際テロに大風呂敷を広げていないお陰もあって、なにかとイマイチ感が頭をよぎった前作よりすんなり観られた。

 風光明媚な美しい景色とは裏腹に、微妙に沈んだ空気の漂う本作なんだが、そんな中でホッとさせてくれるのが前作からの続投が嬉しい戸田恵梨香扮する安達香苗。彼女が登場して一気にスクリーンが華やいだ。前作では研修生だった彼女も晴れて外交官です。
 「そうそう、このシリーズは彼女だよ彼女。恵梨香ちゃんあっての外交官・黒田シリーズ」と、冗談抜きに本気で思ったのだが、あれ?あれれ!?ほんのちょい役で終わり?もうちょっと活躍の場をあげて欲しいんだけど。
 黒田と香苗っていいコンビだと思うのに、どうも活かされていない気が。まあ、このちょっと足りないさじ加減がいいのかもしれんが、と泣く泣く自分を納得させる。
 同じような役回りのフリージャーナリスト・佐伯章悟を演じた福山雅治が少々くどい印象を残すのとは対照的である。

 期待を裏切らない程度の満足感で、事件解決の落としどころも腑に落ちるモノだったけど、車の窓の伏線と最後の「許してない」の意味がわかりにくかったかなぁ。
 まあそれも余韻と思えば、少しくらい考えた後で「ああ、そうか」ってなるのも悪くないんですけどね。
 一方で前作のアマルフィ同様、タイトルのアンダルシアって今回も通過しただけの地名?と、拍子抜けだっただけに。

作品データ - Film Data

  • 【キャスト】織田裕二/黒木メイサ/戸田恵梨香/谷原章介/音尾琢真/岸博之/品川徹/大杉漣/鹿賀丈史/夏八木勲/福山雅治/伊藤英明
  • 【監督】西谷弘
  • 【製作】亀山千広/市川南/寺田篤/水口昌彦/杉田成道/永田芳男
  • 【エグゼクティブプロデューサー】石原隆
  • 【プロデューサー】臼井裕詞/和田倉和利
  • 【協力プロデューサー】牧野正
  • 【アソシエイトプロデューサー】小林裕幸/上原寿一
  • 【ラインプロデューサー】森賢正/鶴賀谷公彦
  • 【原作】真保裕一「アンダルシア」(講談社刊)
  • 【脚本】池上純哉
  • 【音楽】菅野祐悟
  • 【撮影】山本英夫(J.S.C.)
  • 【照明】小野晃
  • 【美術】清水剛
  • 【整音】瀬川徹夫
  • 【録音】藤丸和徳
  • 【装飾】田口貴久
  • 【編集】山本正明
  • 【スクリプター】藤島理恵
  • 【選曲】藤村義孝
  • 【音響効果】大河原将
  • 【VFXプロデューサー】大屋哲男
  • 【脚本協力】酒井雅秋
  • 【アシスタントプロデューサー】榊原妙子
  • 【助監督】片島章三
  • 【製作担当】千綿英久
  • 【主題歌】IL DIVO「Time To Say Goodbye」(Con Te Partiro)
  • 【製作】フジテレビジョン/東宝/電通/ポニーキャニオン/日本映画衛星放送/アイ・エヌ・ピー/FNS27社
  • 【制作プロダクション】シネバザール
  • 【配給】東宝
  • 【日本公開】2011年
  • 【製作年】2011年
  • 【製作国】日本
  • 【上映時間】125分

コメント (2)

初めまして!
トラバ、ありがとうございました^^

アンダルシア、黒田の人間らしい面も見れて楽しかったです^^
続編あったらまた観たいです♪

◆みすずさん
今回の黒田はクールな中に人間味も垣間見せてくれましたね。
続編にも期待したいです。
コメントありがとうございました。

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