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2011年7 月23日 (土曜日)

【映画評】ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 [3D] (2011)

ハリーとヴォルデモート卿の運命の闘いがついに決着!

【満足度:★★★★】 (鑑賞日:2011/07/21)

 10年にも渡ったハリー・ポッターシリーズも遂に完結。見事な大団円で魅せてくれます。

 不幸にも命を落としたドビーを埋葬したハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)、ロン・ウィーズリー(ルパート・グリント)、ハーマイオニー・グレンジャー(エマ・ワトソン)たちに悲しみに暮れる時間などなく、“名前を言ってはいけないあの人”こと宿敵ヴォルデモート卿(レイフ・ファインズ)を倒すべく決意を新たにする。
 一方、死の秘宝のひとつ最強の杖“ニワトコの杖”を手に入れたヴォルデモートは次々と魔法界を掌握していった。ついにはホグワーツ魔法学校も、闇の勢力に仕えるセブルス・スネイプ(アラン・リックマン)が校長の職に就くのだった。
 ヴォルデモートを倒すにはどこかに点在する彼の魂を封印した分霊箱をすべて破壊しなくてはならない。探す次なる分霊箱がグリンゴッツ銀行にあると睨んだハリーは一計を案じ、ゴブリンのグリップフック(ウォーウィック・デイビス)と取引をするのだが…。

 物語の核心は避けますが、以降に展開上のネタバレを多少含みます。原作未読かつ本編をまだ観ていない方はその点ご留意ください。

 10年も掛けて描かれた大河ドラマな上に、映画化にあたって分厚い原作を端折りすぎで、原作未読の自分には細かい事象を理解するのは相当難しかった。
 名前で言われても誰だかわかんないし、あちこち移る場所もそれがどういう意味のある場所だったかよく思い出せない。キーとなる小物に至ってはもう雰囲気だけですわ。

 映画本編から話は逸れるが、そういったことを劇場用パンフレットがフォローして欲しいと思うのだけど、なんだよこの映画のパンフ、人物相関図も無ければ小物解説もない。それどころか導入部のあらすじすら載ってない。
 おそらく世界同時公開ゆえに本編の完成を待っていたら大量部数を印刷するのに間に合わないとかいう裏事情もあるんだろうけど、だったらせめて前作までのあらすじをキーパーソン中心にまとめるだけでも理解の助けにはなるだろう。なにより今作で完結だろ、そのくらいやっても罰は当たらんと思うのだけど。
 これはちょっといくらなんでも手を抜きすぎじゃないか、と怒り心頭です、ハイ。

 閑話休題。

 そんなわけで、実はちゃんと理解できてないかも知れないんだけど、映画自体はそんな自分でも愉しめました。そりゃもう、えらいこっちゃな大団円で。
 シリーズの後半『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(2009年、監督:デイビッド・イェーツ)辺りからなんだか重々しい空気が続いたこのシリーズですが、それもこれもこの最終章のためだったんだと思えるくらい派手に弾けちゃってます。

 いや、今作こそがまさに死闘で、ファミリー向け映画と思えないほど人がばたばた死んでいくし、そういう意味ではやっぱり重苦しいんだけど、序盤のグリンゴッツ潜入から派手な映像の連続で、映画的快感に満ちてるの。
 インディー・ジョーンズばりのトロッコ滑走に始まり、巨大ドラゴン大暴れ、圧巻のホグワーツ魔法学校での最終決戦。あと忘れちゃいけないハーマイオニーの胸の谷間(エッ

 冗談はさておき、ハリーたちがホグワーツに戻ってきたときの高揚感が半端ない。
 10年の最後にホグワーツが決戦場になるのは、そこから始まったシリーズとしては必然でしょう。10年前は幼かったハーマイオニーに今や胸の谷間があるくらい必然(オッ

 ま、さておき、ホグワーツ魔法学校での決戦は今作のクライマックスであると同時に、10年間のクライマックスですからその力の入り方は並大抵のモノじゃない、作った方も観る方も。

 城を守る神秘的な美しさをたたえた結界に、思わず「おお、バリアだバリア」とマジンガーZ世代のおじさんははしゃいでしまうわけです。
 だがやがてその結界も破られ、見慣れた学校が見るも無惨な姿に壊されていく破壊のカタルシスは怪獣映画にも負けてない。
 戦争映画のごとき悲壮感漂う闘いの中にあって脇役たちの活躍には嬉しかったり。

 そして遂に明らかになるハリー、そして彼の母親リリーにまつわるメロドラマも真っ青の驚愕の真実。
 ただこれ10年間掛けて描かれた大河ドラマの一番大事な点だと思うんだけど、正直原作未読だと一回観ただけじゃかなりわかりづらいのがなぁ、ちょっと惜しい。

 わかりづらかったといえば、“駅みたいなところ”以降のハリーも、なんでそんな簡単に?って思っちゃったんだけど、これも原作知らないとわかりようがないですわ。
 ネット上の情報でいろいろわかったので、確認のためにももう一回劇場で観たいと思ってる。

 物語的にはところどころ子ども騙しなご都合主義を感じたり、原作未読の者には辛い詰め込み感もやっぱりあるんだけど、それでもそんな不満を吹き飛ばしちゃうほど見応えは充分。この夏必見の一本には間違いないでしょう。
 そして最後に、キャスト、スタッフの皆さん、10年間ありがとう、お疲れ様でした。

 さて次はいつ観ようかな、ハーマイオニーの胸の谷間(もうええって

シリーズ作品 - Series

作品データ - Film Data

  • 【キャスト】ダニエル・ラドクリフ/ルパート・グリント/エマ・ワトソン/ヘレナ・ボナム=カーター/ロビー・コルトレーン/レイフ・ファインズ/キアラン・ハインズ/ジェイソン・アイザックス/アラン・リックマン/マギー・スミス/ジェリー・ウォルターズ/トム・フェルトン/ボニー・ライト/ジェイムズ・フェルプス and オリバー・フェルプス/マシュー・ルイス/イバンナ・リンチ
  • 【監督】デイビッド・イェーツ
  • 【製作】デイビッド・ヘイマン/デイビッド・バロン
  • 【原作/製作】J.K.ローリング
  • 【脚本】スティーブ・クローブス
  • 【製作総指揮】ライオネル・ウィグラム
  • 【撮影】エドゥアルド・セラ,A.S.C.,A.F.C.
  • 【美術】スチュアート・クレイグ
  • 【編集】マーク・デイ
  • 【音楽】アレクサンドル・デプラ
  • 【衣装】ジェニー・ティマイム
  • 【視覚効果監修】ティム・バーク
  • 【特殊メイク効果】ニック・ダドマン
  • 【題字】原田芳雄
  • 【配給】ワーナー・ブラザース映画
  • 【原題】HARRY POTTER AND THE DEATHLY HALLOWS PART2
  • 【字幕翻訳】岸田恵子
  • 【翻訳監修】松岡佑子
  • 【日本公開】2011年
  • 【製作年】2011年
  • 【製作国】アメリカ
  • 【上映時間】130分

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